【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第282回「幸せのレシピ」
10月10日にパルコがオープンして、浦和の映画館が復活!
特に映画ファンというわけではないけれど、近くで簡単に映画が観られると思うと、ちょっと嬉しいです。
毎日、忙しい生活を余儀なくされているので、上映時間に合わせて、行き帰りの時間を含め3~4時間を確保するのは至難の業。パルコの中にユナイテッド・シネマが入ってくれたおかげで、シネマの入り口まで5分弱。「見たい映画に合わせて」というのはもちろんですけれど、「ちょっと時間が空いたから」という映画の見方が可能になりました。
子どものころから「映画は好き」という意識はありましたが、実際に映画を見たのは、中学、高校のころに、テレビの深夜番組で見たというのがほとんど。映画館で見たなんていうのは、学生だったころ「授業が休講になったから」観た経験くらいしかないので、「ちょっと時間が空いたから」なんていう映画の楽しみ方ができるというのは、私の人生の中で、とても画期的なことです。
20歳前後から子育てに追われていたので、喫茶店や映画館でデートなどというのは皆無。なんだか人生ががらっと変わったような(ちょっと大げさ?)気さえします。
というわけで、オープン翌日の11日に「エディット・ピアフ」、そして26日に「幸せのレシピ」を観てきました。
いやぁ、何年ぶりかで観た映画は、やっぱり楽しいですね。エディット・ピアフは、シャンソン歌手で、皆さんご存じの
♪あなたの 燃える手で あたしを抱きしめて♪(訳・岩谷時子)の「愛の讃歌」で有名ですね。テレビのコマーシャルでも、「愛の讃歌」が流れていたので、「愛の讃歌」を歌うシーンが出てくるのかなと思いきや「愛の讃歌」はたった2回(?)バックに流れるだけで、むしろ「La vie en rose」(ラヴィアンローズ)(タイトルからはわからない人が多いかもしれませんが、聞けば“この曲かぁ”ってなる有名な曲です。音が出ないので、うまく説明できなくてすみません。http://edith-piaf.narod.ru/piaf1950.html でダウンロードできます)の方が強く印象に残りました。この映画の見所は、たくさんありますが、子どものころのピアフの生活には、インパクトがありました。
「幸せのレシピ」は、完璧主義の料理長、ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)が、突然の姉の死により一緒に暮らすことになった9歳の姪ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)との関係を必死で作ろうとしていく中で、ケイトとは正反対な性格の陽気で自由奔放な副料理長、ニック・パーマー(アーロン・エッカート)と恋に落ちるというストーリー。
ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」をハリウッド・リメイクしたものです。
まったく意表を突くことのない真っ直ぐな展開で、楽に観られます。映画マニアの間では「ベタ」と言われて、あまり高い評価を得ていないようですが、私はとても楽しく観ました。
「子育て」から、とても遠いところで生きてきたケイトが、ゾーイとの関係を築いていこうとする中に、子育てのとても大事な部分を見た気がしました。高級レストランの料理長であるケイトは、自分の料理に対する価値観で、ゾーイに食事を作りますが、ゾーイはまったく口にしません。高級食材を使った一流の料理より、素朴で飾らない魚のフライやスパゲッティがいいのです。ケイトもニックとの関係の中でそれに気付いていきます。子どもの人格を認めること、大人の価値観を押しつけないこと、子どもの自主性を尊重すること…。様々な子育ての要素をこの映画中にはありました。
涙がこぼれそうになる場面もたくさんありましたが、オペラ好きなニックのおかげで、バックに流れるヴェルディの歌劇「椿姫」の「乾杯の歌」や1961年にトーケンズの歌で大ヒットした「ライオンは寝ている」などもとても楽しく聞けました。はまり過ぎていて、これも「ベタ」の一部なんだろうと思います。
もちろん子育ての映画ではありません。けれども、こんなところにも子育てのヒントはあるんですね。私はそんなところも気にしながら見ていましたけれど、こういう映画をそんなふうに見ていると、おもしろさも半減しちゃうかもしれませんが…。
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。
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