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2024年4月 1日 (月)

【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第297回「またまた救えなかった児童虐待」

16日午後、寝屋川市のマンションに住む成川裕子さん(29)方から、「長女の様子がおかしい。具合を見てほしい」と、119番があり、救急隊員が駆けつけたところ、美琴ちゃん(6)がぐったりしていて、病院に搬送したものの意識不明の重体で、美琴ちゃんの全身に殴られたような跡があったことから、同居していた無職大山貴志容疑者(21)が殺人未遂容疑で逮捕されました。
 寝屋川署の調べでは、大山容疑者は昨秋ごろから、成川さんとその長男(9)、美琴ちゃんの3人と同居。成川さんはパート勤務をしており、この日は午前8時ごろ出勤。自宅には、大山容疑者と子ども2人がいたとのことです。調べに対し大山容疑者は、「言うことを聞かないので、体を前後に10回ほど揺すった。その後、様子がおかしくなった」と供述しているそうですが、それに対し9歳の長男は「妹が何回も殴られているのを見た」と証言しているようで、美琴ちゃんの体には殴られたような古いあざもあり、寝屋川署は大山容疑者が日常的に虐待していた可能性があるとみているようです。
この事件は、17日になって、寝屋川市が昨年10月から4回、長女にあざがあるのを把握し、虐待を疑いながら、保護しなかったことがわかりました。市の家庭児童相談室によると、昨年10月17日、長女が通う保育所の職員が長女のほおと太ももにあざを発見。長女が「うそをついたり、早く寝なかったりしてパパに怒られた」と話したため、女性に「しつけでもけがやあざがあれば、虐待と見なされる」と警告しました。その後、保育所は逮捕された大山容疑者と女性に、子供との接し方について指導しましたが、昨年11月に2回、今月1回、長女のひざや額などに軽いあざを確認したにもかかわらず、保護は見送ってしまいました。家庭児童相談室は、「府にも相談したが、保護が必要なひどい虐待だと判断しなかった。結果として事件が起こり残念だ」といっています。
家庭児童相談室は何を根拠に「ひどい虐待」と判断しなかったんでしょうか。私は、本来子育ての責任は、まず親にあるべきと考えていますので、行政や学校が個々の子育てに関わることには慎重でなければならないと思います。けれども、そう思う私でさえ、これだけの状況を把握しながら虐待を防げないというのは行政の怠慢ではないかと感じます。以前、うちの研究所に、児童相談所についての相談に訪れた方がいました。その方のケースでは、学校が児童相談所に連絡をし、学校から児童相談所が保護をしたというケースでしたが、これは今回とはまったく逆のケースで、私から言わせると、一時的とは言え保護が適切であったか疑問です。こういう問題は、個々のケースによって問題が様々なので、同じような対応をすることには難しさがあります。だからこそ、2005年に、厚生労働省虐待防止対策室が専門家による研究会で1年かけてまとめた児童虐待の兆候チェック指針を発表したものだと思いますが、その最低限のマニュアルすら生かされていなかったのではないか。
社会保険庁の無責任体質が問題になっていますが、子どもの虐待についても、なるべく”こと”を小さく解釈し、行動を起こさないという行政の方向が見えてきて、とても心配です。前述したように、子育てに対する行政の安易な介入は慎むべきと考えますが、だからこそ、個々のケースについての精査が必要なわけで、それを怠ったときのツケは大きなものになってしまいます。もちろん、行政の力だけで虐待が防げるものではありませんが、今回のケースのように、行政が状況を把握しているものについては、もっと丁寧な対応をすることで、必ず虐待は防げるものだろうと思います。
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。  

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