【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第285回「痛さをこらえる子どもたち」
さてさて今年もやってきました「エイペックスフェスタ」。
私の陶芸教室とカウンセリング研究所が入居している浦和駅西口、高砂小学校前にある「エイペックスタワー浦和」の商店会「エイペックス浦和会」では、毎年、この時期に「フェスタ」を開いています。年に一度のお祭りで、今年で4回目。
テナントのほとんどが事務所と医院という大変苦しい商店会事情はあるのですが、外部のリサイクル運動市民の会にフリーマーケットをお願いしたり、あちこちからバンドや芸人を呼んだりして、なんとかこれまでやってきました。1回目こそ、かなりの予算をつぎ込みましたが、2回目からはとんでもない低予算。なんとかやりくりはしてきたものの、予算だけでなく、とにかく人手が足りない。一昨年から始めた餅つきは、つくのが間に合わないくらいの大好評ですが、浦和会のメンバーだけではつき手が足りず、昨年からは、「エイペックスタワー」居住者の管理組合の皆さんにまでお手伝いをしていただいているのが実情です。テナントと居住者の皆さんとの交流という点では、その餅つきが大変大きな役割を果たしているので、それなりに意味のあることではあるのですが。
浦和第一女子高校マンドリン部の皆さんにも、第1回目より演奏をお願いしているのですが、定期試験や校外模試の日程と重なり、なかなか実現できませんでした。今年は、やっと実現し、フェスタにお越しいただいた皆さんにも、大変楽しんでいただきました。
各テナントのショップや「浦和会」による地場産野菜の販売、子どもコーナー(お菓子の販売や簡単なゲームなど)、フリーマーケットなど…。これまでメインのアトラクションだったのは、バンドの生演奏でした。バンド演奏を取りやめた今年、メインは「空手の演武」に取って代わった感じです。
たまたま1年半ほど前に極真空手の道場が、テナントとして入居し、昨年のフェスタから、メイン会場として使っている1階広場で、演武を行っています。子どもから大人まで、かなりの人数が参加してくれるので、それなりに賑やかです。昨年、圧巻だったのは、氷割り。分厚い大きな氷を素手で割るのにはビックリしました。今年は氷割りはありませんでしたが、塀に使うブロックを素手で割ったり、野球のバットを割ったり。
「なんか、トリックでもあるのかなあ?」
と思ってしまうほどです。今年、ビックリしたのは、4本の束ねたバットを一蹴り(正確にいうと、ひと蹴り目で1本が割れ、ふた蹴り目で全部割れた)で割ってしまったこと。目の前で割られると、
「おーっ!」
という感じにさせられます。
小さな子どもたちの演武もあります。数十人の小さな子どもたちが並んで、板を割るのもなかなかのものです。とてもかわいらしかったのは、かけ声も勇ましく、
「おーっ!」(だったかな?)
と板を拳で殴ったとたん、
「痛ぇー!」
と叫んだ子がいたこと。思わず微笑んでしまいます。
「やっぱり、痛いよなあ」
バット割りを見事成功した大人でも、しばらくびっこを引いていましたから。
バット割りを失敗して、何度も蹴っていた少年もいたのですが、さすがにこれ以上やらせるとケガをすると思ったのか、司会をしていたW氏が、止めました。
実は前日、W氏と打ち合わせの会議で同席した際、高砂小学校でその日行われた「高砂祭り」でも演武を行い、ブロックが湿気ていたせいかW氏がブロック割りに失敗してしまったという話を聞いていました。手に相当なケガをしていました。
あまりにも痛そうなので思わず、
「私にはできないなあ。痛いのは嫌です。痛いのになんでやるんですかねえ?」
と言ったら、W氏はニヤニヤしていました。
子どものころサッカーをやっていた私は、自分ではそれなりにやれていた方ではあったのだろうと思うのですが、中学の時、サッカー部に入り、「サッカーは向いてないなあ」とつくづく思いました。あの激しさにどうも性格がついて行けなかったみたいです。
息子がサッカーをやりたいと言い出したとき、性格的に無理じゃないかなあと思いました。スポーツには、体力や技術だけではない性格的な向き不向きがあります。結局、私はバレーボール、子どもたちはバドミントン、ゴルフということに。
板を割っている子どもたちを見て、
「いやーっ、大したもんだ」
と思いましたが、「やっぱりうちの子どもたちには無理だなあ」
そんなことを考えながら、子どもたちの演武を応援している、エイペックスフェスタでした。
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。
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