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2022年1月15日 (土)

【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第241回「地震、雷、火事、親父」

あけましておめでとうございます。
一昨年の義父に続き、昨年は9月に義母が亡くなったので、プライベートには新年のあいさつは遠慮させてもらったのですが、やはり仕事の部分ではそうもいかず、1000枚に近い年賀状を買って、陶芸教室、ライフクリエイト、カウンセリング研究所の名前で、出させてもらいました。二人とも90歳を越える高齢で、それほど社会と大きな関わりがあったわけでもなく、本当に近しい人たちだけで送ることにして、こちらから積極的にお知らせをすることをしなかったので、20通ほどの義母宛の年賀状を受け取ることになってしまいました。
義父が亡くなってから、ヘルパーの皆さんに助けてもらいながら熊谷で一人暮らしをしていた義母に、何度となく「こっちに来れば」と誘ってはみたのですが、いつも返ってくる応えは、「もう少し家の片付けをしたいんだよ」でした。
義父とたった二人で暮らしていたわけですから、片付けなんてあるわけもなく、それまでの自分の生活を変えることはとっても難しいんだなあと、つくづく感じました。
そんな風な生活のまま、まったく患うこともなく逝ってしまった義母なので、死の瞬間に立ち会ったとは言え、なかなか義母の死を受け入れられずに4ヶ月が過ぎてしまいました。義母宛の年賀状を見ると、「お義母さん、こんなんでどうですか?」と義母が出す年賀状をパソコンで作っていた記憶が、昨日のように蘇ってきて、あらためて義母がいないという実感が遠くの方に追いやられてしまうのでした。

義母は、90歳という長寿を全うし、苦しい戦争体験はあったにしても、孫や曾孫にまで囲まれて、幸せな最期だったと思いますが、昨年は、いじめによる自殺や子殺し、親殺しなどが次々と起こり、とても悲しい1年でした。今年こそは、そんな悲しい流れを断ち切り、子どもたちにとって幸せな年でありますようにと願わずにはいられません。

さて、昨年暮れに産経新聞の取材を受けてから、どういうわけかマスコミづいていて(それだけ教育が世の中の大きな問題であるということなのでしょう)、12月27日に妻が「ジェネジャン!!」(日テレ)の収録に行ってきたと思ったら、昨日(1月13日)は読売新聞からコメントがほしいということで電話をもらいました。「ジェネジャン!!」のオンエアも昨日で、収録の日には、「今回はわりにうまく言えたんじゃないかなあ…」なんてめずらしく言っていた妻でしたが、TVっていうのは、話したことのすべてがオンエアされるわけではなく、放送を見るまで自分がどういう感じに視聴者に映るかがわからないので、昨日は収録の日以上に緊張しているようでした。まあ、放送を見た限りでは、悪い感じには映っていなかったけれど、「もっとしゃべったのに、大事なところ切っちゃってる!」と文句を言っていました。「肩書きはカウンセラーで」って言ったのに、妻が話し始めの部分で、「夫は16歳年下の教え子で」みたいなことを言うから、結局高校の卒業アルバムは使うわ、肩書きは「元教師」になっちゃうわで、「ああ、またやっちゃったぁ」っていう感じでした。今は、カウンセラーとして仕事をしているので、そろそろそこからは脱皮しなくちゃいけないんですけどね。
読売新聞の取材は、県の青少年課が青少年に対する政策の基本方針となる「青少年健全育成方針」を作成するために5年に1度行っている調査に対するものでした。その調査では、今回初めて親のしつけに関する質問項目を盛り込んだんだそうですが、子どもから見ると父親のしつけを「厳しい」と思うのは53.4%、母親のしつけを「厳しい」と思うのは62.2%とのことでした。また、保護者から見ると、「父親が厳しい」は43.7%、「母親が厳しい」が54.6%。質問の内容は若干違いますが、保護者も子どもと同様、母親が厳しいという結論になったようでした。
読売新聞からの電話は、「昔は“地震、雷、火事、親父”と父親は怖いものの代表だったが、今回の調査では“甘い父親”、“怖い母親”という調査結果になっているけれども、それについてどう思うかというものでした。
確かに父親のしつけという点では、昔と比べて甘くなってはいるんだろうと思います。では、母親のしつけは厳しいのかというと、実はそれも甘くなっている。それではなぜ、父親よりも母親の方が厳しいと感じるのかというと、いくつか理由はあると思うのですが、一つは、父親が子どもに関わる時間が母親よりも絶対的に少ないので、子どもに対する理解も浅い上、厳しく対応する物理的時間もないこと、もう一つは、長時間子どもと接している母親が、「しつけ」というよりも、子どもを自分の思うように動かそうとさまざまな要求をしていることを「しつけが厳しい」と親も子も勘違いしているからだろうと研究所として答えておきました。今日(14日)の朝刊に「大関洋子」の名前でコメントが載っています。どちらかというと、あとの方に重きを置いたつもりだったのですが、載っていたのは前の方でしたが…。

「地震、雷、火事、親父」。う~ん、そんな言葉があったっけなあ…。すっかり死語になっちゃってるみたいです。確かに、子どもにとって「厳しい」ということは必要なことなのでしょう。最近の父親、母親の傾向を見ていると、子どもに対する「甘さ」が目立ちます。「しつけ」というものがもっとあってもいい。けれども、「しつけ」というものは、社会にモラルがあって初めてあるものです。政治家の事務所経費の問題や不二家の期限切れ牛乳の問題を見ていると、「モラルがないのは子どもの世界ではなく、大人の世界」。「子どものしつけ」なんていうことを議論する前に、まず「大人のしつけ」をしないことには、子どもに対する必要な厳しさも、語ることができませんよね。
今年も、「大人に厳しく、子どもに優しく」でいきましょう!

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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