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2021年12月28日 (火)

【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第230回「政治の責任」

車を止めて、テレビのスイッチを入れると、自民党衆議院議員で元文部大臣の鳩山邦夫氏の顔が、アップで大きく映し出されていました。
「教育の現状についてどうお考えですか?」
「今の子どもたちは幸せそうじゃないね」
「教育改革については、どう思われますか?」
「私が週休2日制を導入したので、ずいぶん悪く言われましたよ。子どもにとって、大事なのは、いろいろなことを学ぶこと、体験が大事なんじゃないかな。教科のことばかり教えていてもね。”やろう!”っていう意欲が湧くような教育をしないとダメですよ。”再チャレンジできる世の中を作る”といったって、それには”やろう!”っていう意欲が必要なわけで、それがないから今のようにニートが増える。子どもにはいろいろな体験をさせて、意欲を育てたいですね」(記憶をたどっているので、少し言葉が違うかもしれません。ニュアンスだけ取ってください)
そんなことを語っていました。基本的には大賛成です。子育て・教育における体験の欠如は、”やる気”が育ちません。”やる気”というのは、もちろん教科における学力とも密接に関係するわけで、どんなに教え方のうまい教師が”教える”というテクニックだけを駆使して教えても、子どもに意欲がなければ学力もつきません。しかも、”競争”ということを”エサ”にやる気を引き出したのでは、競争に負けたときや勝ってしまって先がなくなってしまったときの反動が大きい。”競争”というのは、目先有効であっても、目的が非常に矮小化しているので、それだけではそう長くは意欲が持続できない。もっと人間の根本の部分から意欲を引き出さなくては…。
鳩山氏の考え方は、そういったものだと受け止めました。
文部科学省はゆとり教育を改めようと、大きく舵を切りました。ここ1、2年の方向転換は、まさに180度。教育現場の混乱もかなり大きなものになっています。
長期にわたった小泉内閣から、阿部内閣にバトンが渡されました。経済界からは、「改革なくして成長無し」の言葉の元、構造改革の継続を望む声が数多く出されているようです。現在政府が進めている”改革”の是非はともかくとして、経済政策の継続性はとても重要なことです。誰が考えても当然のことです。
教育に継続性は無用なのか。
阿部内閣の発足により、今度は小学校における英語教育の方向性が180度変えられようとしています。前任の小坂大臣は「柔軟な児童が、英語教育に取り組むのは否定すべきことではない」と、必修化に前向きな姿勢を示していました。ところが今回就任した伊吹大臣は、「私は必修化する必要は全くないと思う。美しい日本語ができないのに、外国の言葉をやったってダメ」と話し、否定的な見解を示しました。小学校の英語の授業をめぐっては、文科相の諮問機関である中央教育審議会の専門部会が今年3月、5年生から週1時間程度の必修化を提言、中教審で議論が進められています。にもかかわらず、大臣が替わる度にこんなことが起こっていいのでしょうか。
必修ということに限って言えば、私はどちらかというと伊吹氏指示ですが、それはともかくとして、教育行政の変わり様は、いつも180度。これで、健全な教育が行われていると言えるのか、はなはだ疑問です。
教育行政の中身が、文部科学相の個人的な好みによって左右されている現状は、とても憂うべきことです。何が子どもたちにとって最善か、もっと現場を重視し、長期的なビジョンをもって政治が進められることを強く望みます。

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