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2021年12月 7日 (火)

【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第216回「親が子どもを 子どもが親を…  前編」

ほぼ毎日、仕事の帰りに近くのスーパーに寄って、夕飯の買い物をします。午後10時閉店のスーパーに、ぎりぎりで飛び込んで、家に帰るのは10時過ぎ。ちょうどテレビ朝日のニュースステーションの時間です。食事の支度をし、食事をする間は、私にとって1日の情報収集の時間。ゆっくり食事をして、お茶を飲みながら、ニュースステーションの後は、TBSのニュース23。それがほぼ家に帰ってからの日課です。
最近は、この夕飯がまずいこと、まずいこと。ニュースで流れてくるのは、テロや拉致、殺人や子どもの虐待といった暗い話題ばかり。たまに明るい話題といえば、本来4つ足の動物が2本足で立ったとか、アザラシだったか何だったかが、水族館の水槽の中で逆立ちしただとかいうような、別にどうでもいいような極端にくだらない話ばかり。久しく美味しく食事をしたことがありません。
私がカウンセリングをしているわけではないけれど、カウンセリングとか教育相談とか、そういう仕事に関わっていると、どうしても頭が硬直化したり、ネガティブになりがちで、どこかの段階で頭をほぐしたり、気分をガラッと切り替える必要が生じるんです。テレビのようにこちらが積極的に頭を動かさなくていいようなものは好都合なはずなのに、最近テレビから流れてくる話題は、カウンセリングや教育相談に訪れる皆さんの相談内容を象徴するような出来事が多く、かえって頭を硬直化させ、気分が変わるどころか、テレビを見ることで、逆に頭が仕事モードに戻されてしまうこともしばしばです。唯一スポーツは、何も考えずに観戦できるものだから、気分転換にはもってこいなんですが、サッカーW杯はあんなことになってしまって…。特別熱狂的サポーターというわけでもないし、日本の実力なんてあんなもんとは思っていたけれど、浦和に生まれ、浦和のサッカー全盛期に育った人間としては、やっぱりちょっと気が抜けてしまいますよね。もちろん、充分に世界のサッカーを楽しませてもらってはいるのですが…。まあ、サッカーの話題は、「燃える闘魂! サッカー命!」のPIDE氏に譲るとして…。
先日の「奈良・放火殺人事件」は大変ショッキングでした。ああいう事件が起こると、マスコミが家庭環境を事細かに調べ上げ、ワイドショーや週刊誌がそれをやたらと大げさに取り上げて、あたかもそれが事件の大きな原因かのように扱いますが、それだけに目を奪われると、事件の裏に潜む根源的な原因を見失ってしまうことにもなりかねません。
今回の事件も、母親が継母であったり、3人兄弟のうち、事件を起こした長男だけが先妻の子であることが報道されていますが、それだけに囚われることなく、もっと大きな視点で事件を見ることが必要なのではないかと思います。
最近の「子殺し」「親殺し」事件の増加は、個々の事件の個別的要因だけで説明するには、あまりにも事件の増加が急激であり、やはり社会的要因をその裏に見出さずには、説明がつきません。以前にも述べたように、うちの研究所に相談に訪れる人たちの直接的な訴えは、不登校であったり、非行であったり、リストカット・オーバードラッグであったりですが、ほとんどの場合、実はその背景にうまく築けない親子関係の悩みがあります。
次回、その親子関係について改めて取り上げ、事件の背景にあると思われる社会的要因についても考察したいと思います。
つづく

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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