【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第192回「一生懸命さの空回り」
あけましておめでとうございます。
皆さんにとって去年はどんな年だったかな?満足のいく1年を過ごせたかな?
「一年の計は元旦にあり」というわけで、皆さん今年の目標はしっかり立てましたか?
私は、まあ一応会社をやっているので、「今年は飛躍の年にしよう!」なんて考えているんだけど、果たして飛躍の意味って何なんだって聞かれると、もちろん会社だからよりいっそうの利益を上げることに決まっているのに、仕事柄、利益を上げるということより、ついつい「世界中の子どもたちが幸せな一年を送ること」なんて考えちゃって、「利益」なんていうこととはほど遠いことになっちゃったりするんですよね。
広い意味で言ったら、まあそれも「飛躍」のうちかあ?なんて考えて、それが実現できたら、今年の終わりには「いい一年だった!」っていうことにしちゃおうかな…。だけどどう考えても、「利益を出すこと」より「世界中の子どもたちの幸せ」の方が難しいことですよね。逆に言えば、うちの会社の利益より、そっちの方がよほど大事なことですよね。今年一年、両方を目標に精一杯努力をすることにしましょう!
昨年の11月、妻と二人で義母と叔母(義母の妹)を四万温泉に連れて行きました。以前から、桐生に住んでいる叔母と湯治に行きたいと言っていたので、比較的近場で、部屋からお風呂までに段差がなく、湯治の効果があり、しかも長期滞在でもあまり費用のかからないところという条件で、いろいろ探した結果、四万温泉に行くことになりました。
四万温泉に行くのは初めてでしたが、四万温泉に着いてびっくりしたのは、「街のきれいさ」でした。四万温泉と言えば、そのレトロな雰囲気から様々なロケに使われていることは有名ですが、そのせいもあってか、ゴミが全然落ちていないのです。公衆浴場にも何ヶ所か入りましたが、当番制で清掃をしているとかで、とてもきれいでした。さらに驚いたのは、街のあちこちのお店に、「トイレご自由にご利用ください」の貼り紙が貼ってあること。観光以外何もないところですから、当然と言えば当然のことなのですが、街のきれいさとも重なって、そういった貼り紙に商売っ気を感じるというよりは、むしろその街の持っている優しさを感じるといったふう。義母と叔母は5泊、私と妻は二人を預けた旅館に1泊だけして戻ってきたのですが、四万温泉の印象はとてもいいものでした。
義母も叔母も四万温泉がわりと気に入ったようで、また行きたいということになり、8日の日曜に再び送ってきました。今度は二人を旅館に預けると、私たちは元湯の老舗旅館に1泊してきました。ところが、今度は印象が変わりました。相変わらず街もきれいですし、もちろん貼り紙もあります。泊まった旅館も接客態度に気分の悪くなるようなものはありませんし、部屋や旅館全体も掃除は行き届いている。一生懸命さは伝わってくるんだけれど、どこかちぐはぐ。
「なんでだろう?」とずっと考えていたのですが、朝になって布団を上げにきた従業員が、部屋のドアをノックしたとき、その答えがわかりました。お客に対して一生懸命ではあるんだけれど、お客の気持ちの根っこの部分に寄り添ってないんだと思いました。ノックされたとき私は、部屋にあるユニットバスに入っていました。ユニットバスとは言え、源泉が出ますので充分満足していたのですが、ゆっくりとした落ち着いた時間を買いに行っている私は、ノックの音でいっぺんに興ざめです。そうなってくると、いろいろなことが気になり出します。それほど厳密な意味は持たないのに到着時刻を限定されたこと、最初に部屋に案内されたときトイレットペーパーの先端がきれいにたたんであったにもかかわらず、翌日までは絶対に保たないだろうという量しかなかったこと、今年は源泉の温度が異常に低いとかで露天風呂が使用不能になっているのに、こちらが尋ねるまでそのことが告げられていないこと、料理の量はそれなりに多くて凝ってはいるのにまずい…。サービスをしようという姿勢はよくわかるのに、非常に満足度が低いという奇妙な感覚になってしまいました。
その時ふっと思ったのですが、これって子育ての親子関係とよく似ています。親は子どものためにと思って一生懸命子育てをしています。その気持ちに偽りはないし、そういう親の気持ちは充分に子どももわかっている。ところがそれで子どもが満足しているかというと、子どもの気持ちと親のしていることには開きがあるので、子どもにはよくわからないフラストレーションだけが溜まっていく。結局子どもはどこかにフラストレーションのはけ口を見つけなければならないので、そういった行動を起こして一生懸命子育てをしている親と衝突する。
ああ、四万温泉もそんな感じだぁ!
旅館を出た私の行動は、別な旅館の日帰り入浴をたっぷり利用して、中之条まできてから回転寿司を食べて、沢渡温泉、伊香保温泉とドライブをして、高速道路のSAでパンを買って、かりんとうを買って、運転しながら食べまくり。
ああ…。とほほっ。
子どもたちが、そうならないように気をつけないとね!
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。
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