第200回「卒業式」
いやぁ、早いもので200回になりました。とにかくこういう連載は“休まない”を基本に考えていましたので、大腸ポリープの手術をしたり、子どもたちの病気やケガがあったり、パソコンのトラブルがあったりといろいろなことがあったけれど、とにかく休まずここまで続けられていることに、ホッとしています。この連載は、テキストファイルをメールに添付して、それを商工会議所の皆さんのお骨折りにより編集していただいているわけですが、メールの本文だけ(“よろしくお願いします”だけですよ)を送って、原稿の添付を忘れてしまったこともあり、いつもいつも商工会議所の皆さんにはご迷惑をかけっぱなしで続けさせていただいているわけです。
月刊誌に2年半ほど連載をしていたこともありますが、活字の媒体に比べると、ネットというのは、掲載してしまってからの訂正もできないわけではないので、ついつい不用意な言葉遣いになったり、わけのわからない文になったり…こちらが多少楽な分、読者の皆様にご迷惑をおかけしている部分もあるのだろうなあと、毎回反省しています。
さて、この連載を始めたときはまだ中学生だった翔(かける)が、今日(3月5日)無事に高校を卒業しました。我が家の場合、中学校までは公立でしたので、中学校の卒業というのも義務教育の終わりあるいは地域との関わりの終わりという意味で、大きな節目ではありましたが、高校の卒業というのは、“親の責任はここまで”という親としての責任からの解放という点では、さらに大きな節目を越えたという気がします。私も妻も全くゴルフをやらないという環境で、小学校4年生からゴルフをやってきた翔は、高校での3年間もゴルフ部で通し、大学でもゴルフを続けるということなので、経済的にぎりぎりの生活の中で、さらに経済的には支えてやらなくてはならない状況は今しばらく続きますが、今日の卒業式を見て、一気に肩の力が抜けて、楽になりました。講演に呼ばれたとき“幸せは探すものではなく、作るもの”とよく話すのですが、高校卒業までは子ども自身の力ではどうにもならない部分もあり、子どもの幸せも親が作ってやらなくてはいけない要素が多くあったけれど、“もう自分で幸せを作れよ”と言ってやれるときがきたのだなあ、そんな気持ちです。
そんな親の気持ちとは裏腹に、うまく社会の一員になれない子どもたちもいます。
茨城県古河市の県道で、3月2日未明高校生3人の乗った乗用車が石塀に衝突し、後部座席に乗っていた18歳の少年が亡くなりました。あとの2人も重傷を負いました。3人は、前日の1日に卒業式を終えたばかりでした。亡くなってしまったお子さんは、大人として社会の一員となることなく、人生を終えてしまいました。
また駒大苫小牧高校の事件も、大変残念な事件でした。第171回に扱った明徳義塾高校野球部の件もありましたが、内容はやや異なっているとはいえ、同じような背景の中で起こった事件と言えます。そしてまた相変わらずの連帯責任論、さらに連帯責任によって選抜大会に出場できなくなった子どもたちがかわいそうという論評。
駒大苫小牧の件については、明徳義塾のときにも述べたので改めて述べませんが、子どもを一人前の大人として社会の一員にすることはとても難しいことだと感じます。「どうにもならない奴らだなあ」と切って捨ててしまうことは簡単ですが、どうしたら一人前の大人として、社会に参加させてやることができるのか、それを考えるのは一人前の大人として社会を構成している私たちの責務なのだと思います。
これから県内の公立高校や中学校でも卒業式を迎えますが、無事卒業式を終えて全員が社会に巣立っていけるといいですね。
ところで、うちの息子はちゃんと帰ってくるだろうなあ…。そんなことを心配しているようじゃあ、子育て失敗?かな。
先週お話ししたアキレス腱を切ってしまった真(まこと)は、金曜日にアキレス腱をつなぐ手術をして、無事成功したようです。なんでも、火曜か水曜に退院とか。やはり息子の年齢は治りが早い! 私なんか、7月にちょっと肘を痛めたと思ったら、治るどころかかえってひどくなってるくらいで未だに毎日整形外科通い。こうしてパソコンを打ってると手が浮腫んできちゃったりして…。やっぱり若い世代にしっかり自立してもらって、うまく世代交代ができるようにしてもらわないとね。
「おーい、翔ぅ! ちゃんと帰って来いよぉ!」
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント