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2021年11月25日 (木)

【子育てはお好き? -専業主夫の子育て談義-】第198回「ナンパ族取り締まり路線」

「“ナンパ族取り締まり路線”だって!」
「えっ?」
「ナンパ族取り締まり路線」
「何それ?」
「ここの道だよ」
「?」
「だからー、ここの道が“ナンパ族取り締まり路線”だって!」
「ええっ! なんだそれぇ~?」
「きっとナンパしてたら捕まるんだよ」
「ん? “ナンパ”って法律違反?」
「取り締まられるっていうことは、そうなんじゃないの?」
熊谷駅南口から南へまっすぐ荒川の土手に向かう道には、「ナンパ族取り締まり路線」の標識が。最初は目を疑いました。
「ナンパ族? 取り締まり? はぁ?」
っていう感じ。もちろんそこに書いてある意味が、わからないわけじゃないんだけれど、“ナンパ族”っていう言葉も奇異に感じたし、“ナンパ”って果たして取り締まるようなことなんだろうか、と疑問に感じました。
ところが、これが熊谷っていう町だって考えると納得がいっちゃうので、それもまた不思議なものです。
妻の実家が熊谷なので、昨年亡くなった義父のことがあったり、それ以降一人暮らしをしている義母のことがあったりで、ここのところかなり頻繁に熊谷に行きます。熊谷に行ってまず感じるのが、若者たちが妙に派手なこと。これにはほんとに驚きます。
それぞれの駅にはそれぞれの顔があり、さいたま市周辺を考えれば、浦和には浦和の、大宮には大宮の、あるいは西川口には西川口の、顔があります。住まいを探す場合、いろいろな条件を考慮して探すと思いますが、私は、最寄り駅に行ってその周辺を歩き回ってみるというのも、一つの方法ではないかと思います。駅周辺が持っている顔というのは、それくらい地域の状況を反映していると思うのです。
熊谷というところは、田舎の都会。やけに田舎びた素朴なおじさん、おばさんがいるかと思うと、格好だけが変に派手な若者たちが大勢いる。熊谷駅北口周辺には、そんな若者たちやちょっと派手目なお姉さんたちが身につける洋服やアクセサリーをあつかった店がたくさんあります。駅周辺のスーパーに行くと「ホスト?」と思うような(たぶんほんとにホストだと思うけど)お兄さんたちがうろうろしていたり、メチャメチャど派手な色に髪の毛を染めたコギャルたちもいます。
「ナンパ族取り締まり路線ねぇ。なんか熊谷にあるとわかっちゃうから困っちゃうねえ…」
とは言え、たくさんある道路の一部を取り締まり路線に指定したところで、“ナンパ”がなくなるわけはないし、だいいち“ナンパ”が取り締まりに適するかどうかは大いに疑問がある。
そんなところで大人の価値観の正義を振りかざしたところで、いったい何になるのか…。
青少年の健全育成なんて、そんな大人の“やってるふり”では、果たせるわけがない。毎回言うことだけれど、もし町をあげて“ナンパ族”が悪いと言うなら、ナンパ族を取り締まるなんていうことをしたって、意味がない。誰のせいで“ナンパ族”ができたのか、しっかり反省すべきは、取り締まっている大人の方。
浦和駅周辺に“ナンパ族”が出没しているっていう話は聞かないけれど、それは浦和が“いい町”なんじゃなくて、浦和の若者は都内に行っちゃってるだけかも…。“ナンパ族”がいけないというなら、浦和の大人も事実をしっかり見据えて、大いに反省すべし!かもね。

 

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、地域情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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