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2021年11月18日 (木)

【子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー】第177回「飲み会」

「麻耶(まや)遅いなあ。早めに帰ってくるてて言ってたろっ?」
「うん。長くなるようなら、早く出てくるようなこと言ってたけどね」
「”そういうのって普通2時間くらいだよねえ?”って言ってたよなあ。でも、”世話人やってる人が言うには、そこのお店11時半くらいまでは全然大丈夫ですからって言ってるから、それくらいまでやるつもりかなあ?”とも」
「うん。そんなようなことも言ってた。飲み会なんて慣れてないから、早く出てくるにも、タイミングっていうのがわからないって言ってたよ。どういうタイミングで出てくればいいんだろって」
「今の電話、おじいちゃん(妻の父)がずっとワアワア騒いでて、一昨日から一睡もできなくて、”もう疲れた!”ってお母さんがパニック寸前になってかけてきたんだよ。お母さん一人じゃ大変そうだから、これからちょっと熊谷まで行ってくる。今11時だから、今出れば12時くらいには着けるだろ。悪いけど蓮(れん)と沙羅(さら)もう少し頼むな」
「わかった」
「6時半から行ってんだから、いくら何でも麻耶もそろそろ帰ってくるだろ」

今年のゴールデンウィーク前までは、会津までお花見に行けるくらい元気だった93歳の義父が、7月くらいから急に弱ってしまい、今では寝たきり状態。88歳の義母と熊谷で二人暮らしなので、しばらくはヘルパーを頼んで凌いできましたが、もうちょっとそういうレベルではなくなって、妻がほとんどずっと付き添っています。自宅で看取るという選択をして、かなり大変ではありますが、現在は妻が介護の合間に仕事をするような生活になっています。いつもなら4歳の蓮と2歳の沙羅の面倒は、妻か私が見るのですが、妻は介護、私もこの日は仕事をはずすことができず、麻耶が出かける6時過ぎには戻れません。結局、翔(かける)がちょうど文化祭ではあったのですが、文化祭が終わり次第、家に戻り、蓮と沙羅の面倒を見ることになりました。
この日麻耶が参加する飲み会は、幼稚園に通う蓮のクラスの懇親会。麻耶から話を聞いたときは、ビックリしました。
「昼間、お茶会をするんじゃないの?」
「うーん、普通はそうだよねえ。6時半からじゃあ、子どもを誰かに頼まなきゃなんないもんね。みんなお父さんが見てるのかなあ?蓮の幼稚園はバスの送迎なし、延長保育なし、しかも毎日お弁当なんていう幼稚園だから、片親なんていう家、まずないからね」
「まあ、そうだろうな。それにしても、父親が仕事で都合がつかない家だってあるだろうし、まだ赤ちゃん抱えたお母さんだっているだろうし、夜6時半からの飲み会っていうのはね。しかも、12時近くまで飲もうっていうんじゃ、本末転倒だね。母親の息抜きっていうレベルも超えてる」

翌日、私は熊谷から仕事に出ました。仕事をしていると、「おじいさんの具合はどう?」と麻耶から電話がありました。
「お前、昨夜は何時に帰ったの?」
「12時半頃になっちゃった!」
「そんなに遅くなったの?」
「うん。もっと早く出ようと思ったんだけど、出ようとすると蓮と仲良しの子のお母さんが隣に来て”これからもよろしく”なんてなっちゃってタイミングをはずしちゃったんだよ。ああいう席って、途中で立つの難しいね。」
「まあちょっとやってることが非常識だね」
「なんか他のクラスのお母さんに”夜、飲み会やる”って言ったらビックリされたらしいよ。そこのクラスは昼間お茶会したんだって」
「そのくらいにしとかないとね。子どものために親同士が親しくなろうとして、子どもをほったらかしにしちゃっては、なんの意味もない。母親に用があるときに父親が子どもの面倒を見るっていうのは当然だけど、度を超しちゃってる。見る人がいるか、いないかの以前の問題」
もちろん幼稚園主導で開かれた会ではなくて、音頭をとったのも役員さんではないようですけど、さすがにちょっとね。親同士が親しくなることはとても大切だし、息抜きをしたいお母さんの気持ちもよくわかるけど、まあほどほどにね。

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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