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2020年2月 9日 (日)

第168回「さわやか相談室の限界」

ある中学校のさわやか相談室からの通信を手に、とても憤慨しているお母さんがいらっしゃいました。その通信を見てびっくり。
「子どもの心をどうひらくか」という見出しが付けられた部分で、どうやら精神分析か何かの本を引用しているようなのです(ちょっとそれも曖昧)が、
★問題児のお母さんに共通して言えることは
①いつでも自分本位で、子どもが勉強したくない時にさせようとし、子どもが勉強をがんばりたい時に心配してやめさせようとすることです。→若いのだから当人が自発的にやりたくてする時は、一晩や二晩徹夜したって大丈夫です…と言わざるを得ない。
②親がきちんと自我を育てて、本能を無理なく後退(我慢)させておけば→社会の厳しさに十分対応できる子供になる。
③自我をしっかり大きく育てるために→親は寛容と忍耐に裏づけられた一貫性をもつことが親として必要なことである。
『まとめ』★理屈も何もない無知な母親に、しっかりした良い子が育ち、高学歴の母親に自我の弱い問題児を育てたりするようになるのは、そのあたりの事情によるものと考える。子供の精神育成は→叱り方、ほめ方等の技術ではない。口先や小手先でうまくやれるような簡単なものではない。
と記載されていました。
これはいったい何を目的に配っているのでしょう?
前回まで数回にわたって述べてきたカウンセリングマインドということからはほど遠い内容です。「問題児のお母さん」とか「一晩や二晩徹夜したって大丈夫」とか、何を根拠に言っているのかまったくわからない。「問題児」という決めつけも、誰にとってどう問題児なのかが不明確な上、保護者に対して配るものとしては言い方がとても不適切。
『まとめ』の部分の「理屈も何もない無知な母親」「高学歴の母親に…」に至っては、もうあきれて言葉もない。こんなものを母親に対して配っておいて、学校と家庭との関係がよくなるわけがない。
上記はあえて原文のまま載せたものですが、文法的にもおかしいと思うようなところが数カ所あります。私も文法を大切に文章を書く方ではないので、あまりそういう批判はしたくないのだけれど、そんなお粗末な文章にしては内容が強すぎる。
これはプリントの後半部分ですが、プリントの前半部分には「生徒」「1年男子」「2年男子」「保護者」という言い方をしておきながら「スクールカウンセラーさん」「スクールカウンセラーの××先生」という言い方をしている部分があります。プリントを発行している立場からすると明らかに敬語の間違いです。
こういうものを取り上げて、重箱の隅を突っつくような批判をすることは、あまり気分のいいものではないし、建設的なこととも思えないのだけれど、今学校で何が行われているのか、これからの学校はどうあるべきなのかという、一つの問題提起としてあえて取り上げて批判をしました。学校との関わりの中では、「何か変だなあ」「どうも気分が悪い」「納得がいかない」、そんなことがよくあるはずです。そういう時は、納得がいくまで学校と話をすることが大切です。今回のことは、「さわやか相談室」という、まさにそういう悩みを解決するべきところで起こっていることです。
うちの研究所にも、さわやか相談員を目指して、教育カウンセラー資格を取得するため学んでいる人たち(採用の要件ではありません)がたくさんいますが、さわやか相談員の皆さんには、カウンセリングマインドをしっかり学んでいただき、少しでも質の高い相談員になっていただきたいものです。
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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