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2020年1月25日 (土)

第160回「病院から」

いやいや、とほほっ。
こんなことになるなんて…。
今日は、病院からです。なっ、なんと158回のつづき。まさかつづきがあるとは思わなかったんだけど…。
すでに免疫を持っているかと思った翔(かける)がついにおたふくに。ちょうど前回の原稿を送ろうとしていた16日の朝、この日はゴルフの試合だったのですが、前日から身体がだるいと訴えていたので、試合が行われる狭山と川越の境にあるゴルフ場まで送っていってやることにしていました。
「なんか耳の下が痛くて、しこりがあるみたいなんだけど」
と言って翔が起きてきました。見てわかるほどではないのですが、触ってみると確かに耳下腺がしこっていて、さほどの力を加えていないのにかなり痛がります。
「んー、はっきりはしないけど、おたふくかもしれないなあ。だけど、今これくらいだったら、今日1日くらいは保つだろっ」
そうは言ってはみたものの、本当におたふくだったら、ちょっとうつむくだけでも、耳下腺が痛いから、いい結果を出すのは難しいだろうなと思いながら、帰りも私か妻が迎えに来てやるということにして、ゴルフ場で翔を車から降ろしました。
予定より1時間ほど遅れて翔から連絡があり、妻が迎えに行くことに。戻ってきた翔の顔は、明らかにおたふくの様相です。麻耶(まや)のことがあったので、小さい子どものようなわけにはいかないことは覚悟していました。思春期を過ぎた男性にとっては、無精子症の原因にもなる睾丸炎でも併発しようものなら、なおさら大変です。またまたネットを駆使していろいろと調べた結果、万一睾丸炎を併発したとしても、両方の睾丸が炎症を起こすことはまれで、世間でよく言われるように無精子症になることはほとんどないということがわかって一安心。
翔は麻耶とほぼ同じような経過をたどりました。月曜の晩から熱が高くなり、火曜日、水曜日と39度くらいの熱が続きました。それが木曜日になるとすっと引いて、36度台に。これで終わると思ったのに、金曜日のお昼からまた38度6分の発熱。土曜日になるととうとう39度を超えてしまいました。対処療法以外有効な治療法がないとは言え、一応火曜日に受診して薬を飲んでいたのですが、もらった抗生物質が合わなかったらしく、身体中に発疹ができたりもしたので、土曜日に再び受診しました。
「入院も考えないとね。隔離できる部屋を持ってないと受けてもらえないところもあるからね」と先生に言われ、そうならないように祈りつつ、自宅で様子を見ていたのですが、夜になるにつれ熱は上がるばかり。39度3分、6分、40度3分。もらった解熱剤で何とかなるようなレベルを遙かに超えてしまって、結局入院させることに。土曜日の8時過ぎに近くの公立病院に運んで入院させました。病院で計ったら40度9分。小さな赤ん坊ではないので、さすがにびっくりしました。
そして、今日は日曜日。今、私が一人で付き添っています。本来は付き添いは認められないのですが、熱がかなり高いので、付き添ってもいいとか。あまり歓迎すべきことではないですね。やや落ち着いてはきましたが。
こういうときにいつも腹が立つのは、学校と病院の対応。今までほとんど腹が立ったことのない翔の高校ですが、今回はちょっと。明らかにおたふくとわかった16日、23日(月)から中間テストなので、
「熱が下がってもすぐには学校に出られないから、家で勉強しなきゃね」と翔に言うと、教科書が学校だとか。担任とも懇談会で顔を合わせただけで話をしたことがなかったので、教科書を取りに行きがてら話をしてこようかなと学校まで出かけていくと、おたふくだという連絡はすでに入れてあったのに「具合はいかがですか」の一言がない。
「3年生は1学期の成績で評定平均を出すので、今度の試験は大事な試験ですから」
「はあ。本人もだいぶやる気になっていて、学校の勉強はおもしろいって言っています」
「なんとか受けてもらわないと。まあそう言っても、おたふくは学校に来てはいけないっていう病気なので、もう行ってもいいっていう証明をお医者さんからもらってもらわないといけないんですがね」
“何言ってんだ、こいつ。そんなことわかってるから、こうして1時間近くもかけて親がわざわざ学校まで教科書取りに来てるんだろうが!”。
さらに、「私もおたふくやってないので、うつされると困るんですがね」
“いったい早く来させたいのか、来させたくないのかようっ!”って感じ。
病院は、土曜日なので時間外になってしまうことも考えて、朝のうちにベッドさえ空いていれば入院は可能ということを確かめてはおいたんですが、夜になってしまったので、来院する前に改めて電話を入れて、これまでの経過と入院させたい旨を伝えると、
「とにかく来ていただいて、受診していただかないと。入院するかしないかを決めるのは、こちらの医者ですから」
“当たり前だろうが!”。何分ぐらいで来られますかというから、10分くらいと答えておいたのに、病院に着いてから30分も待たされる。そんなうちにも、熱はどんどん上がって40度9分に。
“時間を聞いたのはいったいなんだったんだよぉ!”
当直の医者は医者で、ほとんど立っているのが不可能なくらいの息子を、背もたれもない丸椅子に座らせたまま、長時間経過を聞いている。
「ベッドが空いていれば入院できるって誰が言ったんですか? 看護師? 医者? 医者がそう言ったの? そう言うことは医者と話さないとね」
“ふざけんじゃねえ! こんな総合病院の外来に電話をかけたって、電話口に医者が出るわけねえだろっ!”
みるみるうちに真っ青な顔になり、汗びっしょりの息子の様子に、妻が、
「外の待合いのベンチに横にさせていいですか?」
と聞くと、近くで様子を見ていた小児科の当直医が、
「汗びっしょりで、つらそうですね」
とやっとベッドで診察してくれることになりました。いったい、医者も何を考えているんだか…。
「熱もかなり高いようだし、ご家族も希望しているっていうことで、入院してもらうことにしますから。隔離しなきゃいけないので、個室になるのでちょっと高くなりますがいいですか?」
“だからぁ、最初からそうしてくれって言ってんだろっ!”
今のところ、何か重大な病気があるっていうことではないんだけれど、早くよくなるといいんですが。
翔の世代は、おたふく風邪の予防接種の有効性と副作用(髄膜炎になる可能性がある)が問題になっていた時期で、どちらかというといろいろなものにアレルギーが強く表れる翔は、予防接種を受けていませんでした。もう、今となっては手遅れ。私の判断でそうしたわけだけれど、翔には申し訳ないことをしてしまいました。ただただ、反省です。

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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