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2020年1月 5日 (日)

第155回「子どもの自立を助けるもの その2」

今日はお風呂です。
私がお風呂に入っていると、孫の沙羅(さら)がやってきて、お風呂のドアの前に立つとどんどん服を脱ぎはじめました。まだ一人ですべてを脱ぎ着できない沙羅は、とりあえず自分で脱げるものをすべて脱いだところで、私の方を見て、
「お風呂はいる、お風呂はいる!」
と私に服を脱がせるように要求しています。
「沙羅ちゃんもお風呂はいるの?」
と私が確認をすると、
「うん!」
と大きくうなずいて、にっこりしました。

湯船に浸かった沙羅は、湯船から手を伸ばせば届くところにかけてあるネットの袋から、凧糸のような糸のついた25cmくらいの棒を出して、
「じいちゃん、つり。じいちゃん、つり」
と言っています。よく見ると、糸の先に磁石がついています。
「おさかな、おさかな」
と言いながら、沙羅が指を指しているネットの中を見ると、鯛、イルカ、クジラ、タコなどの形をしたプラスチックに磁石がついたものが入っていました。それを全部湯船に浮かべて、魚釣りの始まりです。
釣り竿についている磁石は、直径1㎝くらい、魚たちについている磁石は5、6㎜といったところですから、沙羅一人ではうまく釣れません。釣り竿にちょっと手を添えてやって、すべての魚(クジラやイルカは魚ではないけれど)を釣り上げると沙羅は大喜び。
「もっかい、もっかい」
ともう一度やることを催促し、結局同じことを4回やりました。

その後、お風呂に入る度にこの魚釣りを毎回やらされることになったのですが、クジラやイルカ、タコまでいるこの魚釣りは、小さな子どもにとってはとても楽しいもののようですが、大人から楽しさを与えられているという点で粘土遊びと同じ。

最近、カウンセリングや教育相談に訪れる子どもたちを見ていると、どの子も母子分離あるいは父子分離がうまくできていません。親から与えられることに慣れ、物だけでなく行動までが親の指示によって決定されていることがほとんどです。子どもが自立を果たすには、子ども自身の努力や工夫が不可欠ですが、そういったものが全くないように感じます。

前回、今回と2回にわたって述べたような遊びは、どんどん大人によって工夫され、子どもたちが考え、工夫する余地がなくなっています。もちろんTVゲーム、カードゲームも然りです。それだけでなく、現代社会が抱える問題の中で、子どもの行動範囲はどんどん縮小し、子どもの行う行為というものが、ほとんど大人の指示なしではできなくなってきています。大人から用意されたことをこなし、「××しなさい」という指示に従って行動する。そういう行動パターンの中からは、なかなか自立心は生まれてきません。
子どもに対して大人が過剰に手を貸すことを慎み、子どもの中から努力や工夫が生まれてくるような関わりを構築していくことが重要に思います。
おもちゃメーカーにすれば、いろいろと手を加えることで値段を上げているのでしょうから、企業戦略上は必要なことなのでしょうが、子どもの発達にはちょっとやりすぎなんじゃあないのかなあ???
粘土は粘土。まっさらな状態で作りたいものを作らせてあげたいですね。


**4月11日(月)掲載**
(大関 直隆)     
元の文章を引用する 

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   Re: 第155回「子どもの自立を助けるもの その2」 2005/04/14 22:54:11  
 
                      なっつん

 
  大関様、こんにちは。

子供達は外に遊びにでても不審者などに気をつけないといけないし、また、遊び場も極端に減ってきていて、なかなか外で遊びづらくなってきている現実があるのでしょうね。
でも、それは今の社会の現実だから受け止めるしかない訳で、憂うよりもその中からどうしたら子供達が自立していけるのか、その方法を親や学校、社会が考えていかなくてはいけないのだと思います。

「大人から楽しさを与えられている」とは子供は感じていないだろうし、また、楽しさを与えられたからといって自立の妨げになるものではないと思います。粘土やおもちゃというものを与えなかったらその楽しさはわからないわけだから与える道具を大人が選んであげるというのは大事なことだと思うのです。そして与えるだけじゃなく一緒に楽しさを共有することで親子のかかわりも増えるでしょうし、子供を理解する手助けになるのではないでしょうか。
しかし自分の子供には与えたくないおもちゃ(例えばゲームなど)も周りのお友だちとの関係で欲しがったりすることもあるのですね。。。これが一番悩ましいところなのですが、自立へ向かう子供にどう与えたらいいのか、どう使うかということを子供が考えれるようなかかわり方をすることが大切なのだと思います。一概にこどもにだけゆだねても,親が○○してはいけない、と禁止をしてしまっても、自立はできないことだと思います。一緒に(親だけが決めるのではなく)ルールを決める、欲しがってもゲームの内容でふさわしくないものは理由をきちんと説明し与えない勇気を持つ、などが必要なのだと私は思っています。

母子分離、父子分離ができていない親子というのはきっとこういうかかわりが希薄だったので、自分の子どもを理解できていなくて発達や自立を「信じてあげる」ことができないのじゃないかな、、、と思うのです。

おもちゃは自立を妨げるものではなくて、大切なのは大関さんのような「手を添えてあげる」ことのような、押し付けじゃないかかわり方を親がしていくことと、よく子供のいうことを聞いてあげて子供が自分が考えていることやしていることを整理してあげることが大切なのじゃないかと私は思います。その結果親子の関係がうまくいくことで、子供が安心して自立することができていくのじゃないかと思ったりしています。

 
  
元の文章を引用する
 

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   すみません 2005/04/18 8:43:15  
 
                      大関直隆

 
  レスできなくて申し訳ありませんでした。
第156回に関連したことを述べておきましたので、是非お読みください。
子どもに何を与え、どう育てるかは誰もが悩むことですよね。
今後もなにか参考になるようなことが述べられればと思っています。

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

 

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