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2019年11月 6日 (水)

【「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」第126回】「小学生が留年?!」

どうも義務教育に対する改革のやり方は安易だね。ちょっと怖い。
河村文科相が朝日新聞のインタビューに答えて「義務教育段階でも落第とか原級留め置き(留年)とか基礎基本が身についてから次に進むという考え方を研究しなければならない」と発言したそうだけれど、今の段階でのこういう考え方がそもそも教育界の問題なんだと思う。

何らかの教育改革が必要だとは私も思うんだけれど、どうもその改革の方向が子どもに負担を強いるようなことが多くなってきてるような気がして、ちょっと怖い。6・3制の弾力化の問題にしても「弾力化」をするわけで全国一斉にやるわけじゃないから、6・3制が残っているところとそうでないところができちゃう。地域によって違うっていうことを否定はしないけれど「転校したときどうするか」という疑問に「子どもの適応力は高い。遅れていれば補習すればいい」って片付けちゃうところが気に入らない。なんで制度上の問題を「補習をする」みたいな子どもの負担にすり替えちゃうの?
確かに子どもの適応力は高くて、いろいろな問題を自分の中で消化して成長していくよね。ロシアの学校占拠事件で救出された子どもたちのインタビューには驚いた。あの極限状態の中で事細かに観察したことを正確に話す冷静さ。ああいうものって大人にはなかなかできないことで、子どもの適応力ってすごいと思った。

でもね、そういうものって偶発的に発揮されるもので、それを期待して制度を作ろうとするのはちょっとね。やっぱり適応できない子もいる。

教育相談にくる子どもたちの中には、DVの影響で心を閉ざしてしまった子や免職にしたいような「教職員の対応のまずさ」で不登校になってしまった子もいる。子どもというのは適応力は高いけれど、同時に大人よりももっと純粋で繊細なものも持ってる。
そういう子どもの心を考えたら、「適応力が高いから、補習をすればいい」なんていう言い方になるかねえ???

「落第・留年」も然り。基礎基本が身についてから次に進むっていう考え方がわからないわけじゃない。でも、基礎基本が身につかないのは子どものせい? そんなわけないよね。問題なのは身につかない子どもじゃなくて、身につくような指導ができない大人。「落第・留年」ということになれば、身につかないことの責任をとらされるのは子どもということになる。

まず、教育改革でやらなくてはいけないのは、教員の質の向上。昨日も、2つの高校の文化祭に行ってきたけれど、高校によって違うこと、違うこと。何が違うって、生徒の向いてる姿勢。別に進学に燃えてる学校がいいとは思わない。何に対しても真剣に取り組む姿勢は大事だよね。文化祭みたいな、なんだか騒いでるだけみたいなときでも、やっぱりそこの姿勢は出るもんで、1つの学校はなんだか分けわからないつまらない発表みたいなところ(誰も来る人いないだろうなって誰でも思うような)にも、ちゃんと2人の生徒がいて、「どうぞご覧ください」「ありがとうございました」って声をかけてくれるのに、もう1つの学校は、生物部や地学部みたいな、まさに文化祭の主役にならなくちゃいけないような部の展示のところに行っても、誰もいない。入ろうかな、どうしようかなって迷っちゃうくらい。入ってみたら、生徒がいないんじゃなくて、展示してあるボードの裏で何か食べながら騒いでる。一回り見ている間にも誰も出てこない。

2つの学校の違いはどこにあるんだろうって思ったら、やっぱり一生懸命やってる方は先生の姿が見える。来校する人たちに笑顔で挨拶して、子どもたちとも笑顔で話してる。ところがやる気のない学校は、どこに先生がいるのかもわからない。あれ先生かなって思うとみんなしかめっ面をしてる。

教育を改革しようとしたら、子どもに負担をかけるのではなくて、まず教員の質を向上してほしい。落第・留年なんて差別を招くだけだよ。

**9月13日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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