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2019年11月12日 (火)

【「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」第146回】「男の子もいるのになぜ子女なの?」

毎週木曜日は朝からカルチャーセンターの講師をする日。午前中は春日部、午後は越谷のカルチャーセンターで陶芸を教えています。会社の事務を私がほとんど一人でやっているので、カルチャーセンターで丸一日時間を取られてしまうのはちょっとつらいんだけれど、浦和から春日部、春日部から越谷、越谷から浦和という通勤の時間は、私にとって重要な情報収集の時間になっています。

なーんちゃって!
何が情報収集の手段かっていうと、テレビとラジオなんだから大したことはない。去年まで乗っていた車はテレビなし。ラジオだけだったんだけれど、約20万㎞乗った末(よくここまで乗ったよね。こんなに乗ったの初めて!)買い換えて、今度はナビつきのになりました。ナビにテレビも搭載されているので、私の情報源もラジオだけからラジオとテレビに増えたわけ。純正ナビの欠点(?)で、サイドブレーキをかけないと画像は見られないんだけれど、運転中でもとりあえず音だけは聞こえます。

曜日と時間がほぼ決まっているので、いつも情報収集の番組は同じ。朝はやっぱりニュースやワイドショー系の番組、帰りはラジオの情報番組。お昼はっていうと、そりゃーもう「笑っていいとも」。
カハハッ、“それが情報源かよ!”って感じだよね。ちょっと恥ずかしい…
というわけで、先週の話。

木曜日は視聴者から寄せられた疑問に答えるコーナーがある(なんていうコーナーだったっけ? ちっともそういうところは聞いてないらしくて全然思い出せない。いかにもバラエティらしく、出演者が質問に対するプレゼンやったり趣向を凝らしている)んだけど、先週「“帰国子女”っていうときの“子女”っていう言葉はどうして“子”と“女”で“男”と“女”ではないのか」(ちょっと言葉が違うかもしれないけれど、だいたいそんなような内容)という質問が寄せられました。

回答は文部科学省からもらったということで、「“子女”の“子”が“男の子”という意味で、“子女”で“男子と女子”という意味です」という回答でした。私はここでタモリ(敬称を付けようか迷ったけど、ちょっと失礼して)が、「じゃあ、なんで女子は女っていう文字を使うのに男子は男っていう文字を使わないのか」って突っ込むのかなあと思ったんだけれど、時間が押していたのかフジテレビの意向なのか「ああ、そうなんだあ」で終わってしまったので、ちょっとがっかり。

広辞苑によると「子(し)」は、①こども。特に、むすこ。②男子の敬称。③日本で、女の名に添える語。(光明子・式子内親王)。大辞林によると①こ。こども。②独自の思想・理論をもって一家をなした人。(ともに後略)
大辞林にも接尾語として「読書子」とか「編集子」とかいう場合には「そのことをもっぱら行う男子の意味を表す」とあります。

確かに“男”という意味がないわけじゃないけれど、“女”っていうのに対して“子”が単純に“男”っていうのは無理があるような気がする。素直に考えればやはり“男女”の方がいいんじゃないのっていう感じ。“子”って言葉には“むすこ”っていう意味がないわけではないけれど、やはり素直に考えれば“子”は“子ども”かな? だとすると”男の子が子ども“で“女の子は子どもではない”っていう意味を含んでいる。要するに女は家を継ぐ“子”ではないわけだよね。「子女」っていう言葉がいつできたか、もっと掘り下げて行かなくちゃいけないんだろうけれど、どう考えても、女性を蔑視しているとしか思えない。文化を継承することも大切だけれど、一部の人間にとって都合のいい文化だけが残っていくとしたら問題だよね。

たかが言葉ぐらいでがたがた言いたくないけれど、女性ばかりしかいないPTAで女性の権利が認められていなかったときの「父兄」はやっぱりおかしい。学校の公文書は「保護者」で統一されているのに、未だに(というより以前より最近の方が)先生方の多くが母親に向かって「ご父兄」って言ってる。いくら一般化している言葉だからといって、「父兄」っていう言葉には母親っていう意味が入っているって考えるのは、ちょっと無理がない? 相当言葉が乱れてる。漢字の意味をそこまで壊しちゃうのが文化の継承なのかなあ? 「子女」の“子”には、“女”は入ってないんだもんね。なんだかちぐはぐだし…。

“矛盾した憲法”の改正論議は進んでいくことになりそうな気配だけれど、“矛盾した言葉”の改正論議ももっと真剣にした方がいいんじゃないの? 男女共同参画社会の実現にはかなり時間がかかりそうですね。


※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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