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2019年11月 6日 (水)

【「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」第125回】「不登校と校内暴力 その2」

8月28日の朝日新聞朝刊には「小学生の校内暴力1600件 児童間、半数超す」の見出しで、校内暴力についての調査結果が大きく報道された。

03年度に公立の小学校内で児童の起こした暴力行為の件数が前年度比27・7%増の1600件にのぼったとする調査結果は、かなりショッキングでセンセーショナルだ。文科省は「憂慮すべき事態で、感情の抑制についての指導を強めたい」ということのようだが、どうも私には「指導を強めたい」が先にありきで、それに沿った形で調査が進められているような気がしてならない。

さまざまな研修先で、児童の問題行動についての事例発表は多い。「落ち着きがなく、人の話を聞けない」「じっと席に座っていられない」「おとなしくしていた子が突然きれる」「友達の輪に入れない」「些細なことでも教師に助けを求める」など、きりがない。そういった事例がここ数年増えているというのは確かなのだろうとは思う。そういった中で校内暴力が増加傾向にあるというのもわからなくはない。しかし、02年度に比べ03年度の校内暴力件数が突然27.7%増というのも変な話だ。

神奈川県は小中高生が起こした校内外の暴力行為は都道府県別で全国最多の5321件で、なかでも小学校は前年度より80%多い237件だったそうだが、生徒指導の担当者は「一部の子どもが暴力的になっている面はあるかもしれないが、小学生全体で校内暴力が激しくなっているとは考えていない」のだそうだ。

また、沖縄県でも暴力行為件数は605件で前年度より約4割増えた。昨年7月、県内の中学2年生が友人から暴行を受け死亡した事件が発覚した結果、生徒間のいじめが一因との情報もあり、義務教育課は「事件を機に各学校が子どもたちの細かい部分に注意するようになったのに加え、トラブルを表に出すように意識が変わってきた」と件数増の理由を説明しているそうである。

大阪府は以前から些細なトラブルでも報告するよう各校に要請してきたそうである。今回の調査でも「暴言をはいた」「教員の体を触った」といったケースも「暴力行為」に数えた結果、府内の暴力行為は全国ワースト2の4358件で前年より18%増えた。
こういった調査が無意味だとまでは言わないが、調査の基準が曖昧な上、教育課程の改訂や生徒指導の強化といったようなことがまずあって、それをねらってセンセーショナルに扱われるようなことがあってはならないと思う。

この調査ではいじめの発生件数は、5.2%増の2万3351件。全体の約2割にあたる7860校で起きたそうだが、私の感覚ではいじめが全体の5校に1校にしかないなんていうことは信じられない。さらに小学生のいじめは6051件、6.9%増で、学年が上がるほど増える傾向にあるのだそうだが、03年度中に小学校で起きたいじめのうち87.6%は年度内に解消したという。 まさかいじめの9割近くが、数ヶ月で解消するわけがない。

調査結果にケチをつけるのが目的ではないが、雑な調査結果をセンセーショナルに扱っても、校内暴力がなくなるわけではない。佐世保の事件に代表されるようなショッキングな事件が多発する中で、今私たちがやらなければならないのは、子どもたちと丁寧に向き合い、一人一人の心を大切にすることだと思う。大味で派手な政策ばかりを優先するのではなく、学校の中で日々交わされる先生と子どもたちとの会話が、優しさに包まれた会話になるような政策を、ぜひ実行してほしい。

**9月6日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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