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2019年11月 3日 (日)

第114回「リセット」

なんか違うんじゃない???

 チャットの授業では、まず子どもたちに書き込みを楽しませる。絵文字で表情をつけたり、記号を使ったり。盛り上がると、先生がわざと悪口を書き込む。
 「○○君はいつも授業中遊んでいるよね。ア-ホ」。先生が書いたとはわからない。連動して子どもの言葉が乱れてくる。最後に「どう思った?」とモラルを考えさせる。
 石原教諭は「悪口を書いたらいけないと口で言っても、子どもにはわからない。中傷ばかりを書き込む大人用のチャットに参加している子も少なくない。授業で疑似体験をさせて考えさせることが大切だ」と話す。(朝日新聞 6月13日朝刊より)

佐世保の事件以来、小学校でのネット教育を見直す動きが広がっているけれど、どこか違うんじゃないかなあ?
ネット上でのマナーを教えることに反対ではないけれど、教えている教師の子どもたちに対するマナーは、誰が教えてるんだろう?
ネット上でのエチケットを「ネチケット」と言うんだそうだ。でも、いったい何語?
子どもの通っていた中学校では、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴ると急いで席に着くことを「チャイム席」と言っていました。懇談会に行くと「チャイム席」っていう言葉が何度も出てくるから何かと思っていたら、まあそういう意味。わけのわからない言葉を作り出して、自分たちが喜んでいることをそんなに非難するつもりはないけれど、それを言っている先生の口癖が「子どもたちの言葉が乱れている」だから、ビックリしちゃう。ちょうどそのころは、「チョーむかつく」とか「チョベリバ」とかいう言葉が流行っていたころで、私には子どもたちが独自に作り出す言葉は悪くて、学校が作り出す言葉は悪くないという理屈がどうしても理解できなかった。
今回もちょっとそんな感じ。
「ネチケット」っていう言葉自体が悪いとは思わないけれど、そういう言葉を使って子どもたちを指導している教師の「教育についてのその軽さ」が、どっぷりとネットに浸かっている感覚なんだということを忘れないでほしい。

「悪口を書いちゃいけない」と言いながら、教師が悪口を書いてる。普通の感覚からしたら、書いちゃいけないことはどんな理由があっても書いちゃいけないんだと思うけど…。
「○○君はいつも授業中遊んでいるよね。ア-ホ」と先生が書いた。○○君の気持ちは傷ついた。「ほーら気分悪いだろ? だからやっちゃダメ」と言われたって、「○○君の傷ついた気持ち」はリセットできるわけがない。「○○君はいつも授業中に遊んでいる」と教師が書き込んだとすれば、○○君は教師にいつも「授業中遊んでいる」と評価されていることになっちゃう。たぶん教師は「○○君は授業中に遊んでいる」と本当に思っているんだよね。これって授業を利用した教師の生徒に対する「いじめ」じゃない? そう言うとたぶん先生は「私と子どもとたちの間には信頼関係がありますから」とか言うんだよね。
ゲームの世界は「死のリセット」ができるから、命の尊さが軽んじられると言う。学校という世界は「子どもの言動のリセット」はできないのに「教師の言動のリセット」はできるから、子どもの気持ちが軽んじられる。
6月17日、福岡の高校で40代の男性教師が、授業中に居眠りをした男子生徒にカッターナイフを渡し、この生徒の指の血で「反省文」を書かせていたという事件があった。「本当に血で書くとは思わなかった。驚いてやめさせた」そうだが、もう指を切って書いちゃったんだから、リセットできないんだよね。おそらく、そうせざるを得ないくらいに子どもをせっぱ詰まらせる怒り方をしたんだろうね。
校長曰く「教師として自分の気持ちを伝えようと熱心なあまりの指導だったと思うが、不適切だった。佐世保でナイフを使った事件があったにもかかわらず、教師に対する指導が不足していた」んだって。
こんなことやってて何が「ネチケット」だか…。
教師はしっかり「チャチケット」(チャイルドに対するエチケット)を身につけた方がいいんじゃないのかな???


**6月21日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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