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2019年6月10日 (月)

第104回「発想の転換」

「大人の都合」と「子どもの都合」のことを何度となく述べてきましたけれど、どう考えてもやっぱり世の中は大人の都合で回ってるみたい。六本木ヒルズの回転ドアであんな事故が起こったと思ったら、今度は大阪府高槻市の回転式遊具で指を切断するという事故が1日に2件続けて起きてしまいました。もし、六本木ヒルズの事故が、ケガですんでいたら、おそらくこんなに大きな騒ぎにならず(これまでに何件もの事故が起きていたにもかかわらず葬り去られていたように)に、公にすらならないで終わっていただろうし、高槻市の事故にしても、もし指を切断してしまったのが一人だったら、おそらくこちらも公になることはなかったのではないかと思います。

六本木ヒルズの事故では、建物を所有している森ビルとドアを製造した三和シヤッターとの間で、主張にズレがあるみたいだけれど、どうも議論が責任論に終始している(企業にとっては当たり前のことだけれど)みたいで、子どもを育てていた私にしてみると、どっちが悪いかなんていうことよりは、まず先に子どもにとって危険な場所はないか、総点検してほしい。

昨日だったか、一昨日だったかの新聞に京王百貨店が数年前に暖房効率の関係から回転ドアを設置したけれど、多くの来店客が回転ドアを使わずに両サイドにある押し開きのドアを利用してしまうので、回転式ドアはやめて自動ドアに直したという記事が載っていました。まあ、新聞記事なので事実のすべてを正確に伝えているとは言い難いけれど、回転ドアを直した理由について、「回転ドアを利用せずに隣のドアを利用してしまう人が多い」ことと「回転ドアの回転速度が遅い(危険回避のためにゆっくりにしていたようではあるけれど)ため、人がドアの前に溜まってしまう」ことがあげられていて、今回の事故でもわかるように一番肝心な「危険だから」という発想がないことに、がっかりしました。

最近の報道を見ていると、回転式ドアを設置していないところは、「ウチは一カ所も設置していません」って堂々と胸を張ったりして、なんとなく自慢げにインタビューに答えていたりするけれど、それは本当に危険を認識して設置していないわけじゃなくて、どっちがお客の流れがスムーズで、短時間に大勢の人が入れるかといった単に経済効率を優先した結果がそうなっているだけなのに…。そんな発想で物事を考えていると、また事故に繋がるんじゃないのかな?

大切なのは、回転ドアを設置しているか設置していないかではなくて、「どうして設置していないのか」なんだから。

高槻市の事故についても同じようなことが言えると思う。現在問題になっているのは、「(1)ボルトはいつ、なぜ外れたのか(2)遊具の管理はどうなっていたのか(3)最初の事故後、どうして遊具の使用を禁止しなかったのか-などの解明が課題だ」そうだ。確かに大切なことだとは思うけれど、それだけで終わらないで、もっと子どもの行動を理解して、どんなことになっても危険のない遊具を作ってもらいたいよね。誰が考えたってボルトは抜けることがあるし、抜かれることもある。
「やりたい放題」ってオモチャがある(今もある?私が育てていたころにあった、穴があったり、ボタンがあったり、受話器がついていたり、とにかく子どもがやりたいことを網羅したようなオモチャ)ように、子どもは穴があれば指を突っ込むし、ティッシュペーパーのようにちょっとでも出ているものがあれば、必ず引っ張る。子どもの“遊具”を作っててそんなこともわかんないのかよぉ!って感じ。

もっと根本的な部分の発想を変えなきゃね。私が考えるに、たぶん回転ドアや遊具を作っているのは、理工系を出たエンジニアでしょ? こんな言い方しちゃ悪いけど、そういう人たちに子どもの心理なんてわかるわけがない。もっと設計段階から、子どもを育てた主婦にでも関わってもらった方がいいんじゃないの。そういう発想が大事だと思うけどね。

そうそう、もう一つ。
台形の面積を求める公式が、小学校5年生の教科書に復活するんだってね。それについての報道をテレビで見たんだけど、誰が出てきても議論が陳腐なの。とにかく公式を覚えさせることが必要か必要じゃないかの議論に終始してる。まったくあきれるんだから。台形の面積を教えるっていうのは、公式を知ってるか知らないかが重要なんじゃなくて、一つの台形の面積を求めるのに上下を逆さまにくっつけて、いったん2つの台形にするっていう発想を教えることが大切なのに…。公式をただ単に覚え込ませるんじゃなくて、そういう発想の柔軟性を教えてくれたら、きっと子どもに対する事故も減るんじゃないのかなあ?
ちょっと飛躍しすぎ???


**4月5日(月)掲載**

※死者の6歳男児は、3月22日から母親(38歳)とともに東京都に滞在していて26日母親と2人で六本木ヒルズに観光のために立ち寄り森タワーへ入ろうとして2階正面入口の自動回転ドアに小走りで進入し同ドアとドアの枠に頭を挟まれた。同男児が挟まれたのを後から来た母親が気づき,近くにいた人とドアを強く引いて逆回転させ助け出したが既に意識はなかった児童は病院へ運ばれたが2時問後に死亡した。(http://toolbiru.web.fc2.com/  「超高層ビル情報」参考)

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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