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2019年4月

2019年4月26日 (金)

第100回 「はみがき」

公立の学校で開催が義務づけられている学校保健委員会。学校、生徒、保護者、校医の4者が一堂に会して会議をします。学校からは、校長、教頭、養護教諭に保健担当の教諭、子どもたちは児童会や生徒会の保健委員、保護者はPTA会長に保健部(呼び方の違うところもあるけど保健担当の専門部)の人、それに校医が一人。さすがに4者が集まるわけだからけっこうな人数になります。

形式は学校によって様々。校医さんが一方的に話して“オーワリ”なんていうのもあれば、子どもたちがアンケート調査なんかをやって、それをたたき台に話し合いをしたりする学校もあります。もちろん子どもたちが何かやってくれた方が飽きないけれど、いずれのやり方を取ったとしても、まっ、どこの学校もやることが義務づけられているからやってる、おざなりな会に変わりはなし。とにかく、時間だけが過ぎればいいかっていう感じで、あってもなくてもいいような会議になっているのが普通なんじゃないかな?

ずいぶん何度も経験したけど、印象に残ってるのは2回だけ。
1回は高校のPTAで参加したとき。この時は喫煙についての調査を子どもたちがかなり綿密にやってきて、その報告を聞いているだけでもなかなか面白かった。もう1回は、つい昨年の今頃、中学校のPTAで参加したとき。この時は虫歯予防の話。

歯のことについては、TVのコマーシャルなんかでも歯磨き粉(あれっ? 今でも“歯磨き粉”って言う? 何も考えないで使ったけど最近あんまり聞かない言葉だね。最近はなんて言うんだろ?)のコマーシャルもあれば、キシリトールガムのコマーシャルもあったりして、皆さん少なからず興味を持ってるよね。

この時は、なんか変なものなめさせられて、口の中に虫歯菌がいるかいないか調べさせられたんだよね。基本的に虫歯菌が口の中にいなければ虫歯にならないらしいんだけど、「みんないないのに、私だけたくさんいたらどうしよう」なんてドキドキしちゃって。結局私の口の中には、ほとんどいないっていうことになって、ホッとはしたんだけどね。

話の中でためになったのは、「糖分をとらなければ虫歯にならない」っていう話と「虫歯菌が口の中で活躍するのは食後20分程度だけ」っていう話、それともう一つ、「虫歯にならないために歯垢を完全に落とすには、食後すぐに20分間の歯磨きが必要」っていう話。100%正しいかはわからないけれど、とても参考になりました。

その後、TVで「赤ちゃんは虫歯菌を持っていないのに大人からの口移しなどでうつる」っていうのを聞いて、「なーるほど」って思っちゃった!

♪ はみがき上手かなあ? ♪
「蓮くんも歯磨きするー!」
孫の蓮(れん)は、自分で歯磨きができるようになりました。せっかく一人で磨けるようになったのに、問題はその後。

♪ 仕上げはおかあさーん ♪
というわけで、娘の麻耶(まや)が蓮の口を強引に開けて仕上げをします。
「ギャー! ギャー!」
「おいおい、もうそんな程度にしておけよ。かわいそうだよ。」
「ダメー! もう虫歯あるんだからね! ちゃんと口開きなさい! そうやってギュッてしてるから、いつまでたっても終わらないんだからー!」
泣き叫ぶ蓮を押さえつけて、無理やり“仕上げ”をします。
「そこまでやったら虐待だろ。もうそんなもんにしとけよ。歯磨き嫌いになっちゃうぞ」
というわけで、毎晩娘と孫は格闘しています。

豊かな生活を送るには歯がとっても大事なのは、その通り!でも、まっ、丈夫な歯を手に入れた代わりに、“親子関係が最悪”なんていうことにならないように、歯磨きはほどほどにね。
「だいたい、おまえがお菓子とジュースばっかり買ってくるから悪いんだろ!?」
「だって私が食べたいんだもん!」
「まったくどうしようもない母親だなあ」

つい先日、歯の具合が悪くて歯医者さんに行きました。
「小さいのも入れると、7本虫歯があるんですけど、全部治療しますか?」
「えーっ、虫歯菌がいなければ虫歯にならないんじゃないのー?」
トホホッ…。毎日20分間、歯磨きしてるのに…。どういうわけか、ほとんど歯を磨いてるとこを見たことのない息子の翔(かける)は、高校1年生になっても虫歯が1本もありません。なんでー???


**2003年3月9日(月)掲載**

 
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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第99回 「ボランティアの質 その2」

ある日の校長室。
「ところで校長先生、部活のことなんですけどね。この前、林田先生に、“宇田川さんの子どもたちに対する声のかけ方があんまりひどいので、学校の管理下としての部活動でやってるわけだから、コーチか監督みたいな振る舞いをさせるのはまずいんじゃないですか”って話したんですよ。そうしたら、“私が頼んだわけじゃないから自分たちで解決してください”って言われちゃって。だけど、ウチの子に聞いてみたら、日曜日なんかは宇田川さんのお子さんが部員を招集して宇田川さんがサッカー部の子どもたちを指導してるって言うし、お母さんたちの話では学校からの要請で宇田川さんが正式に外部コーチになるっていう話を聞いたんですけどね…。それって本当なんですか?」
「ああ、その件ね。確かに打診はしてますよ。林田先生が進路の担当で夏休み明けくらいからは忙しくなるから、あんまり部活の面倒を見られなくなるんですよ。ウチみたいな小規模校だとどうしても教員一人でいくつもの役割を果たさなくちゃならないもんだから、部活の部分を外部の方にお願いしようっていうことで…」

「事情はよくわかっていますから、それはそれでいいんですけれど…。ただね、どういう方をどういう形でお願いするのかっていうことに対して、きちっとしたものが必要だと思うんです。現段階では、部活動は課外活動として全員加入で、内申書の評価の対象にもなってるわけだから、そういう意味では指導する側も学校の管理下におかれていないといけないと思うんですよ。地域の方の力を活用するっていうのもわからなくはないんだけれど、ボランティアっていうのはある意味、危険でしょ。今回の件みたいに個人が中学校の部活動の生徒を勝手に集めちゃったりして、“無責任”っていうことにもなりかねない。学校外のクラブチームみたいなものならともかく、全員が加入しなくてはならない中学校の部活動で、しかも小規模校が故に部活の種類が少なくて、ほとんど選ぶことができないような状況下では、指導する側の公人としての立場も強く意識してもらわないとね。積極的にやりたい子ばかりではないわけだから。いくらボランティアとはいえ、罵声を浴びせたり、学校のグランドのU字溝にタバコの吸い殻を捨てるような人ではねえ…」
「うーん、8月からと思ってるんですけどねえ…。もちろん、外部からお願いしたコーチといっても、学校の管理下だっていうことはその通りですよ。最終的には私が責任を負います。本当はこの学校の卒業生みたいな子の中に引き受けてくれる子がいるといいんですけどねえ」

「問題は、誰がどういう質の人間を外部からお願いして、どこが責任を負うのかっていうことだと思いますよ。今の宇田川さんの状況はとてもよくない。まだ誰も正式にはお願いしていないのに、実質的には学校からお願いされたような立場で行動してるし、しかもそういう行動をしているにもかかわらず、どこもその行動に対して責任を負っていない。ここ何回かの練習試合を見ててもらえばわかったと思うけれど、もうまるで宇田川さんのチームのような振る舞いでしたよ」
「んー、それはまずいなあ。まだ正式にお願いしたわけじゃないですから。ちょっと私の方でも考えてみますよ」
「そうしてください。宇田川さんも、中にお子さんがいるわけだから保護者としての立場もあって、父母の中でトラブルにでもなったら、学校も宇田川さんもやりにくいですから。どなたかにお願いするとしたら、お子さんが内部にいない方の方がいいんじゃないですか」
「そうですね」
「宇田川さん個人の問題じゃなくて、学校がお願いしているボランティア全体の問題と捉えてもらいたいんですよね。部活動に限らず体験学習でお願いしているボランティアにしても、ボランティアなんだからこれでいいっていうことじゃなくて、技量の面でも人格の面でも子どもたちに与えるものとしてふさわしいか、きちっと学校の中で吟味していただかないと…」

結局、校長先生から宇田川さんをコーチにお願いすることはありませんでした。
前々回取り上げた、いじめっ子を投げ飛ばしちゃった警察官の問題も然りですが、指導者たるもの、たとえボランティアとはいえ、自分の感情をむき出しにするようでは指導者として失格ですよね。これからも、教育に関わるボランティアの人たちが増えていくことと思うけれど、“ボランティアだから…”というのはそろそろ終わりにしないとね。


**2003年3月2日(月)掲載**

 
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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第98回「ボランティアの質」

「笠原ー! なにやってんだあ!」
「ばっかか、おめえ! ほらほらっ、こっちに走れって言ってんのっ!」
「やめちまえ! おまえ才能ないよ!」
「ほらほらほらほらあっ! ここあいてんだろっ! おまえが入るんだよ、ほらっ! スッとくる、スッとおっ! のろまっ! もう、相手が詰めてきちゃっただろっ! ぐずっ! おせえって言ってんだよっ!」

グランドに罵声が飛びます。
サッカー部の練習試合、顧問の林田先生がベンチに座っているにもかかわらず、その頭上を指示の声が飛びます。

「あれ、誰?」
「宇田川さんだよ。少年団の監督やってる人」
「ああ、なるほど」
「お子さんが、今試合に出てるよ。ほら、あの子」
「一応、保護者っていうわけね」
「だけどあれじゃあ、まるでコーチか監督じゃん!」
「まあね。なんか今度外部コーチになるっていう話もあるみたいよ。林田先生がけっこう忙しいでしょ。だから校長が普段の練習も含めて宇田川さんにお願いしようとしてるみたいよ。でも、お子さんいるからねえ…。それにあの怒声でしょ。ちょっとねえ…」

しばらくすると林田先生から、
「よーしっ! 笠原、そうだ! 行け行けっ!」
と声がかかります。
笠原君は保護者の席にいる宇田川さんの方に目をやり、そしてベンチの林田先生の方に目をやると走り出しました。
一瞬躊躇した分、スタートが遅れボールを敵に奪われます。
「なにやってんだっ!」と林田先生の怒鳴り声。続いて、宇田川さんから、
「おまえは”ぐず”なんだよ!」
笠原君は林田先生と宇田川さんの顔を交互にのぞき込みました。

試合が終わると子どもたちは林田先生のところに集まり話を聞いています。そしてその話が終わると誰がどうというわけでもなく、なんとなくずるずると子どもたちは宇田川さんのところに集まり、話を聞き始めます。
「ありがとうございました!」
子どもたちがお礼を言い散っていくと宇田川さんはタバコを吸い始め、そしてU字溝のふたの隙間からタバコの吸い殻落とすと、学校のグランドから出て行きました。

数日後、偶然林田先生と職員室前の廊下で顔を合わせました。
「宇田川さん、まずくないですかねえ? 子どもたちも迷っちゃってるし…」
「…」
「先生から話をしてもらって、ああいうやり方やめてもらうわけにはいかないんですか? 他のお母さんたちも自分の子どもがすごい勢いで怒鳴られるので、あんまり気分よくないみたいだし…」
「私が頼んだわけじゃないですから。勝手にやってるんだから保護者の中で解決して下さいよ」
「そういう言い方なさるんですか? 実際にああやって先生の頭を飛び越えて指導してるわけだから、先生だってやりにくいじゃないですか。われわれ保護者の立場からすれば、自分と同じ立場の人間が自分の子どもを怒鳴るわけだから納得いかない部分もあるし。私は宇田川さんが指導者をしている少年団に子どもを入団させたんじゃなくて、ここの中学校のサッカー部に入部させたんですよ。学校の指導下で起こってることに対してはこうして先生には意見を言える。けれども宇田川さんは何の責任も義務もないわけだから、意見が言えないじゃないですか」
「だから私が頼んだわけじゃないので、お父さん同士で解決してくださいって言ってるんですよ」
「先生はあれでいいと思ってるんですか? 学校の指導下なんですよ。しかも宇田川さんは父親として子どもたちを励ましてるんじゃない。まるでコーチとして指導してるじゃないですか。私は宇田川さんに子どもを預けた覚えはない!」
「私にはどうにもできませんね。保護者の間で解決してください。あんまりゴチャゴチャするんだったら私、顧問降りますから」
林田先生は職員室に入っていきました。

つづく

**2003年2月23日(月)掲載**

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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第97回 「とーりゃ!」

「ったくう! あたし仕返ししてやろうかと思ったよ」
「なに? またなんかあったのかよぉ?」
「だってさぁ、公園にいつもいる“ガキ”ったら、いっぱいオモチャ持ってきてるのに蓮(れん)に貸してくれないんだよ。蓮は自分のをちゃんと貸してあげてるのにさっ」「そりゃまあ、そういう時期なんだよ。“自分の物”っていう意識が育ってくる時期なんだからしかたないだろっ」
「違うの! だからぁ、そんなのは蓮だってあるからいんだけどぉ。ちょっとそいつのオモチャ、蓮が持っただけで飛んで来て、いきなり蓮のこと突き飛ばしたんだよ。それで自分のオモチャ引ったくっていったんだから!」
「あらあら」
「蓮なんてさぁ、いきなりだったから何が起こったのかわからなくて、ビックリしてしばらくじっと立ってた。それからあたしのとこまで走って来て泣き出したんだよ」
「かわいそうに…」
「だけどさぁ、そういうことあったら普通お母さんが“××ちゃん、お友達に貸してあげなさい”とか言わない? この前、蓮も同じようなことやったから、私、蓮のこと怒って蓮と一緒にオモチャを貸してあげにいったよ。親だったら普通それぐらいはするだろっちゅーの」
「はぁ、なるほど。そりゃ、そうだ」
「見てたくせに、ぜーんぜん知らんぷりだからね。ったく、どうかしてんだよ、最近の若い母親は!」
「っとっとっと、お前も“最近の若い母親”だろっ? それで、母親に“仕返し”するの?」
「違うよっ! 仕返しするのはその“ガキ”だよ。ちょっと母親が目を離した隙に思いっきり蹴飛ばしてやろうかと思った」
「ゲーッ、怖っ!」
「当たり前じゃん。蓮は突き飛ばされたんだよ!」
「そりゃそうだけど、子どもの責任じゃないだろっ。親のしつけの問題なんだから」
「そう思うよ。でもね、でもね、親が知らんぷりして何もしないんだから、あたしが思い知らせてやるぅ!っていう感じだよ」
「何考えてんだか…」
「そうは言ったって、“って思った”っていうだけだよ。結局、しっかり蓮を抱きしめてやっただけだもん」
「蓮がその“ガキ”にオモチャ貸してあげられたら、次はその“ガキ”も蓮に貸してくれるかもよ」
「そうだね。蓮にもよく話しておくよ」

ダーッ、びっくり、ビックリ、びっくり、ビックリ!
「警視庁青梅署(東京都青梅市)に勤務する30代の巡査が1月、地元の柔道教室で指導中に小学生2人を強く投げ飛ばし、1人に鼓膜が破れる大けがを、もう1人にも打撲などのけがを負わせていたことが分かった。巡査の子どもが学校で2人にいじめられていたといい、同署の調べに「結果的に仕返しと受け取られても仕方がない」と話しているという。」(2月13日 朝日新聞より)

ああああ、どうしてこういう事件が起こるのかねえ???
“投げ飛ばした”巡査の自分の子どもを思う気持ちがわからないわけじゃあない。でもね、ほんとに問題なのは“いじめてる子”たちなんじゃなくて、そういういじめを放置してる学校の問題なのに…。

この柔道教室は「青梅市が小学生などを対象に企画。市内の体育館で週2回、夕方開いている。巡査は柔道団体の推薦を受け、ボランティア講師として数年前から参加していた」(朝日新聞)とのこと。
巡査自身も“いじめてる子”たちの教育に関わっていたわけで、もっと深いところで教育を理解しないといけなかったんじゃないのかな?

最近、ボランティアの人たちを教育に関わらせる動きが盛んだけど、教育に関わるっていうことの責任をもっとしっかり感じないといけないよね。それにしても、この巡査、“親”としても、“教育に関わるボランティア”としても、そして何よりも“巡査”としても失格だね。 個人的に“仕返し”をしなくてすむように、学校ももっとしっかりしないと…。いじめられてた巡査の子にも、そして巡査に“とーりゃ!”と投げ飛ばされちゃったいじめてた子にも、本当に謝罪しなくちゃしけないのは、学校なんだよね。

**2003年2月16日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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第96回「夫にしてほしい育児」

ぎゃあー!! ショック!!
夫に担当してほしい育児は「特になし」だって!!
こりゃ大変だよ。いったい夫の存在って何だろうってことになりかねない。いやいや、もうなってる。

おもちゃのバンダイのアンケートでこんな結果が出たそうです。昨年の秋、12歳以下の子どもを持つ保護者を対象に実施し、2000人分の回答をまとめたものです。夫に担当してほしい育児(複数回答)は「特にない」が39%、「遊び」12%、「お風呂」11%。1年前に行った調査でも、子育ての相談相手の1位は「母」、2位「友達」、3位が「夫」(19%)。(2月8日、朝日新聞参考)

そういえば、私の周りのお母さんたちもみーんな相談相手は「友達」。
「夫にね、幼稚園どこにしようかって相談したら、『ああ。うん』で終わりだった」んだって。
「全然聞いてくれないの。だからこうやってみんなの話聞いて決めてるんだよね」ってべそかきながら言ってたお母さんがいたっけ。

翔(かける)の同級生でお父さんを亡くしたお宅のお母さんは、
「夫がいなくなってもなーにも変わらないよ。生きてる時だって、子どもが起きる前に仕事に出かけて、子どもが寝たあと帰ってきてたからね。まあ、私は夫が帰ってきた時には一応起きて食事の支度はするけれど、夕飯は子どもと一緒にしちゃってるから、作っといたおかずを“チン”するだけだったからね」

もう1人のお母さんは、
「ウチはずっと単身赴任みたいなもん。建築関係の現場監督やってたから、全国を飛び回ってたわけよ。2週間、3週間なんて当たり前。長いときは1年とかだもん。ほとんど帰ってこないでしょ。だからいない方が普通。いるときは子どもたちとよく遊んでくれる人だったけど、それでも子どもたちにとっては“いてもいなくてもそんなに変わらない存在”だと思うよ」

もちろんこれがすべて本音とは思わないけれど、夫を亡くした4人のお母さん全員が「夫を亡くしても何も変わらない」って、同じことを言ってた。あああっ、男ってなんだろうね。

最近、お昼の時間がずれちゃって3時ごろ近くのファミレスに行くことが多いんだけど、お母さんたちがウヨウヨいるよ。1週間くらい前にはぐるっと私たちの周りをお母さんグループが囲んでたことがあった。それが偶然すごくおかしなことになってて、後ろが30歳代、右が40歳代、前が50歳代、左が60歳代って、ちゃーんと世代順に並んでるの。一見してPTAがらみの人たちだなあってわかるんだけど、あまりに見事に順番に並んでるもんだから、おかしくて吹き出しそうになっちゃった。聞こえてくるのはもちろん子どもの話ばかり。(ただし“60歳代の人は除く”だよ)

子どもを持ってる母親はこういうところで情報交換してるんだよね。
夫と相談ができない状況にあるのか、相談をしても役に立たないのか、定かではないけれど、男が子育てに関わるようになってきたなんて、とてもそんなこと言える状況じゃないね。高度成長期の日本の産業は製造業が中心で、「日曜休み」っていうのがほとんどだったんだろうけど、産業構造の変化とともに休日がバラバラになって、「子どもたちの休みと、父親の休みが合わない」なんていうお宅も多いんだろうね。

それにしても「夫に担当してほしい育児は特にない」とはねえ…。夫の存在感が薄いのか、どう関わってもらいたいかがわからないのか、どっちにしても男って何だろうねえ…。わが家の場合は、「妻に担当してほしい育児は?」って質問になるのかなあ?タハハッ、ウチの場合はいっぱいあったけどね。

**2003年2月9日(月)掲載**

 

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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2019年4月14日 (日)

第95回「受験勉強のやり方」

「どこか私立中学を受験させようと思うんですけど、ウチの子ってすごく面倒くさがるんですよねぇ。受験勉強ってやっぱりコツコツ地味にやっていく積み上げが大事でしょ。そういうことが全然できない。たぶんそういうことをやってるのが大手の受験塾だと思うんですけど、4年生くらいから週に2日も3日も通って、ウチに帰っても毎日毎日勉強漬けっていうのも失うものが多すぎるって思うし…。でもそう思って育ててきたら、6年生を目前にしてただただ雑にいい加減なやり方でしか勉強しない子になっちゃってたんですよ。」

「小さいころから何でもやってやっちゃってきましたからねぇ。そりゃあもう、周りがビックリするくらい。未だに学校の支度は私がほとんどしてやってるし、靴下まで履かせてやってる。ずーっとそうしてきちゃったから、今さら突然“自分でやりなさい”なんて言えないし。学校の先生は“いいお子さんですねぇ。どうやって育てたらあんなにいいお子さんになるんですか”って言ってはくれるんですけど、ウチでの実体を見たらビックリするんじゃないかなあ。すごく後悔してるんです、やっぱり育て方間違ったって。先生からも勉強のことは“とても理解力はあるんですけど、もう少し丁寧にやってくれるといいんですが…”って言われるんですよ。ノート見てもらえばわかります。すごく乱暴な字で読めないんだから。“字なんて自分が読めればいいんだなんて言うくせに、問題集をやって答え合わせしようとすると、あんまり雑なんで自分でも読めなくなってる。計算やってても“0”だか“6”だか区別がつかなくなって結局間違っちゃう。」

「今通ってる個別指導の先生は、“まず算数を固めて、その後国語に入りましょう。社会と理科は慌てなくていいですから。とりあえず家でやっといてください”なんて言ってるんですけど、ウチの子のこと、全然わかってない。家でなんてやれるわけないじゃないですか。そういう子じゃないんだから…。そんなことも見抜けなくていったいどこが個別指導なんだっていう感じ。かといって塾もこれでもう3カ所目で、あんまり塾を替えたりして子どもに負担をかけるのも嫌だし。私の正確がきっちりやらないと気がすまない方だから、なおさらなのかもしれないですけれど、やっぱり受験勉強には問題集を初めから最後まできっちりやり通すような几帳面さも大事だと思うんですよねえ。とりあえずなんとか自分できっちり丁寧にやる習慣をつけないと間に合わないと思うんですけど、どうしたらいいんでしょうか?」

ぎゃー!
ちょっと長くなっちゃたけど、なんていう相談を受けたことがありました。これでもはしょったつもりなんだけどね。

なかなか小学生に“きちっと勉強しろ”なんていうのは難しいよね。ほとんど不可能。まあ無理すればできないこともないだろうけど、そりゃあ今の話の中にもあったように犠牲が大きすぎるよね。あんまりいい子に育つとは思えない。ウチの子なんてすごくいい子だよ。ぜーんぜん無理しなかったから。だからその通りきちっとやらない子に育っちゃった。

さて、そうは言っても、やっぱり受験にはきちっと物事を処理していくっていう作業は重要だよね。もうどれくらい前だったかなあ?(15年とか20年とか前だよ)テレビで塾を取り上げてる番組があって、そこの塾は中学受験でものすごく結果を残してるので入塾するのも大変らしいんだけど、確か漢字の書き取りだか作文だかしかやらないの。そのかわりきちっとやらせる。なんかわかるような気はするよね。
私も塾をやってて思ったんだけど、限られた塾の時間の中で教えられることってたかがしれてる。結局“重要なのは勉強に対する姿勢をどう教えるか”だって。

「いい加減にやってるので、分数の計算すらわからなくなっちゃってるみたいなんです。やっぱり計算問題みたいなものをたくさんやってもらうように個別指導の先生に頼んだほうがいいんですかねぇ…」

「それでもいいけど、それができないからそうなってるわけでしょ。そういう風にやらせたくなかったわけだし。私もそれはそれでよかったんじゃないかって思いますよ。どう育てるかの問題なんだから。もし私が教えるとしたら、易しい問題からたくさんやらせるんじゃなくて、難しい問題を丁寧に最後まで解くっていうことを何度かやるかなあ。“丁寧に”っていうところが重要なんですけどね。難しい問題には易しいところから難しいところまでが詰まってるわけだから、1題解くことでいろいろなことが教えられるでしょ。そこは教える側の力量もあるけど…。解けた時の達成感も感じられるだろうし、そうすれば徐々に力はついてくると思いますよ。今までの育て方の根本を変えようと思うんじゃなくて、アプローチの仕方を変えたらいいですよ。個別指導の先生にそんな風に言ってみたらいいんじゃないですか」

たははっ! 自分チの子にはできないけど偉そうに答えちゃった。その後どうしたか聞いてないけど、うまくいってるかなあ???

**2003年2月2日(月)掲載**

 

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第94回「受験シーズン到来!」

第94回「受験シーズン到来!」 


いよいよ今年も受験シーズンがやってきました。いつものことだけど入試が近づく頃にはインフルエンザが流行って雪が降る。まったくどっちも受験生泣かせだよね。ウチの息子もどうやらインフルエンザらしくて、急に39℃も熱が出て1週間近く休んでる。まったくどうにもならないね。私はまだかかってないけど、かかりたくないよ~!

去年なんて最後の最後に私に回ってきて、久しく37℃以上の熱なんて出したことなかったのに38℃近い熱は出るし、お腹にきちゃって何にも食べられないしで、とうとう点滴しながら仕事にいってたからね。ちょっと今年は勘弁してほしい…。

受験生を持ってるお宅は大変だよね。わが家は、あと翔(かける)の大学受験を残すだけだからずいぶん楽になったよ。

学習指導要領の改訂があって、義務教育で学ぶ内容が少なくなったからといって、入試で出題される範囲が急に少なくなるわけもなく、結局何を招いてるかと言えば、中高一貫教育だったり、小学校の私立化だったり…。まるで私立の学校経営を助けてるみたいなやり方。「15の春を泣かすな」なんていう言葉があったけど、今や受験競争は中学校と小学校に移っちゃって「12の春」や「7の春」なんていう感じだよね。もっとも12歳や7歳で受験の意味なんて本当にはわかってるわけはないし、もし落ちたとしてもいくところがないわけじゃないから、泣いているのはお母さんだけかも…。

「真(まこと)がね、勉強しなくても受験に成功する方法考えてるんだってよ。まったく親子って、同じこと言うんだから…。あなたは働かなくてもお金が儲かる方法考えてるんでしょ?」

「まあね。でも誰だってそう考えてるんじゃないの? 発想は普通だと思うけど…。働いてお金が儲かるのは当たり前でしょ。逆に働いてもお金が儲からないのはどこかおかしい。だから、そんなことだったら考えなくたっていいでしょ。考えるっていうのは、やっぱりその先のことだからね」

「ふーん、なるほどね。真もそんなこと考えてるのかねえ?」

「何言ってんの?! そんなわけないでしょ。あいつはただ勉強したくないだけだよ。まだまだ父親の域には達してない。でもさ、あんまり勉強しなくて成績上げるのなんてほんとにそんなに難しくないよ。効率の問題なんだから。塾やってたころ、いつも子どもたちに言ってたでしょ。100点満点のうち50点しか取れない子でも、ちょっと発想を変えれば今まで通りの勉強の仕方でも充分合格点は取れる。できてない部分をきちっと分析してやって、そこの部分だけをやらせれば、今まで通りの勉強の仕方で勉強したところの半分の25点は取れるようになる。だからね、もともとできてた50点の部分がそのまま取れれば75点。今まで見てて本当にそうなるのは知ってるでしょ。要は、そのできない部分を誰がどうやって分析するかだよね。それが塾の仕事だと思う」

「確かにそうだよね」

「子どもたちだってさあ、とにかく詰め込まなくちゃならないって言ったらそれだけでいやになっちゃう。どうやったら気持ちが楽になって、集中できるかが勝負なんだと思うよ。そこからスタートしないとね。自信も必要だし。塾がやるべき仕事をやらなすぎなんだよ。子どもと親の尻を叩いて詰め込むのは誰だってできる。しかもついてこられなくなっちゃった子は落伍者ってレッテル貼るだけなんだから。実際に目の前にいる子にあまり負担をかけないで成績を伸ばしてやるのが教える側の醍醐味だし、お金をもらってるっていうことに対する義務なのにね」

「ほー。なーるほどぉ」

「だってさあ、お金を払ってるんでしょ。お金を払って子どもが苦しくなってるなんて、どこかおかしくない?」

「そう言われてみればそうだ…。ところでさ、あなたは働かなくて儲かってるわけ? 朝出てさ、毎晩10時、11時。たばこも吸わない、お酒も飲まない。あれは働いてるって言うんじゃないのかねえ??? 働いて儲かるのは当たり前なんでしょ?」

「あんまり当たり前のことはやりたくないって言ってるんだよ。だから今はね、働いても儲からない方法を考えてるの。わかった?」

「ほほぉー」

**2003年1月26日(月)掲載**

 

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