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2019年3月 6日 (水)

第88回「しつけ」

変な話だけど、犬との関わりの中ですっごくいっぱい「子育ての基本の基本」を学んでいます。もう5人の子どもを育てちゃったわけで、必要ないっていえば必要ないけれど、自分がやってきた子育てを「犬のしつけに重ね合わせながら、考えて理論的に解釈する」っていう作業を毎日やっているような感じです。

ペットを飼う上で一番問題になるのが「しつけ」。「無駄吠えをする」「噛みつく」「トイレの場所を覚えない」などなど。悩んでる人も多いんじゃない?

悩みを解消するにはきっちりとした「しつけ」をするしかないわけだけれど、これにはちょっとした“こつ”がいるから、訓練士なんかに話を聞くのが簡単。ウチのショップにももちろん訓練士はいるけれど、本を読んだりして、その通り実行してみるのもいいかも…。

つい先日、訓練を専門に商売にしているグループの一人が訪ねてきて、店内にチラシを置かせてほしいっていうわけ。それが「置かせてほしい」って頼みにきてる割には威張ってるんだよね。「私らみたいな優秀な訓練士のチラシをあんたのショップに置いてやる」みたいな…。正直言って「なんだこいつ?」って思ったけど、まあ一応話は聞くことにして、もしビジネスとして組めることがあれば協力しようかなって…。

ところがとんでもない。オーストラリアかどっかに留学して犬の訓練について学んできたとかいうことで、やたら自信がある。確かにアメリカやオーストラリアっていう国は日本と比べてペットの先進国。しつけについてきっちりとしたマニュアルがあって、その通りに訓練すれば従順な犬ができる。それは私も認めるけれど、この人との話の中で、「従順な犬をつくることが犬を愛していることか」って、かえって疑問がでてきちゃった。

この人たちは、「欧米流にしつけをする」ことが犬を愛していることだって主張するわけだけれど、私はちょっと違うと思う。私は犬も含めて動物を愛するっていうことは「共生」だと考えてる。その中にしつけがあるんであって、「まずしつけありき」じゃない。「犬との共生」って言ったら「共生って何ですか?」って答えが返ってきたのにはビックリした。「共生」っていう言葉を知らないんだよね。オーストラリアでいったい何を学んできたんだろう? 私は「しつける」っていうより、「共生」って考えてるんだけどなあ…。

人間も同じで、「しつけ」の基本は、やっぱり相手を本当に愛しているかだと思う。それがどんなに小さな子であろうときっちりと一人の人格として見る。これはずっと述べてきていることだけれど、「大人の都合に合わさせる」は最悪だよね。そんなの「しつけ」じゃない。

「泣いてる子を抱いてやると抱き癖がつくから放っておけ」っていう人がよくいるよね。確かに泣いている時に抱かないでいれば、泣いても抱いてくれないって学習するから泣かなくはなるかもしれない。「いつまでも母乳を飲んでいないように」って、乳首にカラシを塗ってなめさせたりする人がいるよね。これも確かに母乳は飲まなくなるかもしれない。でももっと大切なものを失っているんじゃないかなあ?

犬はもともと集団で生活する動物なのでリーダーを見極めます。そういう意味で人間が毅然とした態度で接することは重要です。(でもこれだって人間の親子関係と同じだよね)マンションで「吠えられるのが困る」といって無駄吠えをしないようにしつける。それはその通りだけれど、時には発想の転換をはかって「吠えても人の迷惑にならないところに引っ越す」なんていう考え方もあっていいんじゃないのかな?

犬にばかり共生の負担を強いるんじゃなくて、たまには人間が負担を背負ってあげられる優しさもあった方がいいよね。犬だってバカじゃない。そんな優しさこそ「リーダーの強さ」って感じることがあるはずだよ。

「しつけ」っていう言葉はあんまり響きがよくないね。訪ねてきた訓練士に「しつけっていう言葉は好きじゃない」って言ったら「じゃあ教育って言えばいいですか」だって。
う~ん???
やっぱり「共生」だね。


**2003年11月25日(火)掲載**
※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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