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2019年2月 6日 (水)

第35回 「たまには塾の話」

第35回 「たまには塾の話」 

 最近すっかり「陶芸教室の先生」というか「経営者」をしているので、「親」として子育てとか教育とかを語ることばっかりですけれど、実は私も陶芸教室を始める前は塾をやっていたんです。一時は100人くらいをみていたこともありました。今のところに住むようになってからも、高校受験の子どもたちを中心に、40人くらいの生徒をみていました。そうそう、「男はつらいよ」や「北の国から」ですっかり有名になった吉岡秀隆君も高校受験のとき、ほんの数ヶ月ではありますけれど、みていたことがあるんですよ。彼の場合は、芸能活動を続けていくのにどこの高校を受験したらいいかということで相談にきたんですけれど、私のところに来るほとんどの子どもたちは、夏休み明けの「北辰テスト」(埼玉県内で行われていた高校受験のための偏差値をはかるための業者テスト)の結果が思うようではなくて、相談にきていました。

 偏差値でいうと30台後半から、50台後半くらいまでの子がほとんどです。それくらいの成績の子の偏差値を上げるのにはちょっとした「コツ」があって、すでにある程度理解しているジャンルを除いて勉強のプランを立ててやると、偏差値40台くらいの子では1ヶ月もしないうちに10前後偏差値が上がることもざらにあります。偏差値が高くなればなるほど、偏差値を上げることは難しくなりますが、60くらいの子でも65くらいにはなります。

 あんまり偏差値にこだわった「教育」は好きではないので、今考えるとずいぶんと無謀な「教育」をしていたんだなあと思いますが、受験を控えた親子にとって偏差値は絶対のものなので、「塾」という立場からいえば、それも一つのやり方であったんだとは思います。先日、知り合いから中学受験の塾の話を聞きました。

 某大手塾では、頻繁にテストをやってそのつど結果をクラス分けや着席順に反映していると聞きました。そういうやり方をしてくれると、子どもの席次がどこなのかはっきりわかるので、親にとって確かに安心は手に入ります。けれども、そこでの席次をあげるために、多くの子が別な塾にフォローに行っていると聞いてビックリしました。どうやら、その某大手塾は「教える」ことをあまりしていないらしい…。

 私は塾というものは、そこに通ってきている生徒の学力が上がるように「教える」ところだと思っていたので、ある意味私の塾観は根底からひっくり返されました。いろいろな塾があるんだろうけれど、これにはちょっとあきれました。要するに、頻繁にテストをすることで「中学受験で成功する子」を探しているにすぎない。「家で勉強をしないと成績が上がりませんよ」と言われたといいます。確かにもっともな話ではあります。でも、家には「先生」はいないのですから、家でやったことを塾でフォローしてくれないと塾の意味がない。どうもそういったこともないまま、某大手塾では常に「中学受験で成功する子」を探しているようです。結局、某大手塾に通い続けるには、他の塾でフォローをしてもらうしかなくなっちゃうわけですよね。

 週に3日ないし4日、大手塾に通い、さらにフォローのために数日別な塾に通う。今の子どもたちの忙しさを解消してやるにはどんな手だてがあるんでしょうねぇ???

 大手塾の皆さんも必死に「中学受験に成功する子を探す」んじゃなくて、「中学受験に成功する子を作った」らどうなんでしょうかねぇ…。子どもたちはそれぞれすばらしいものを持っているのだから、すべては教える者の力量にかかっているんですけどね。

**11月5日(火)掲載**

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