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2019年2月 7日 (木)

第48回 「訴えてやるー!!!」

ずいぶん前になりますけれど、ある小学校で子どもの歯が折れたということで訴訟騒ぎになったことがありました。どんなことだったか、はっきり覚えてはいませんが、確か教室の中を歩いている時に、いきなり足を出されて転んだ拍子に机の角に歯があたって、折れてしまったというようなことだったと思います。もちろんお母さんはカンカン。足を出した子にも相当腹を立てていたと思いますが、それにも増して腹を立てていたのは、学校の対応でした。

お母さんは、
「そういう状況を招いた学校の管理責任をはっきりさせろ」
と言っているのに、学校にはまったく通じず、学校は個人的な問題として処理をしようとしているようでした。そんな学校の態度に納得がいかず、訴訟にまで発展してしまったのです。

わが家でも、長男の努(つとむ)が中学校でいじめにあったとき、一番下の翔(かける)が同級生に殴られたとき、ともに学校の対応は同じようで、暴力を振るったお子さんがお母さんと一緒に菓子折を持って謝りにきました。もちろん、暴力を振るうという行為が許される行為でないことは言うまでもありませんから、その子自身の謝罪というのも当然です。けれども、それで問題が解決するわけではありません。暴力を振るおうと思った原因が取り除かれたわけではないのだから…

いじめや暴力が横行するような学校は、雰囲気でわかります。よく言われるような「今の若い親はしつけがなっていない」という問題とは次元が違います。個々の家庭の問題も一つの要因ではありますが、子どもたちが集団としてどのような扱いを受けているかと言うことがかなり大きな要因になっているように感じます。そう考えると、個人的な問題に見える小さな事件も、学校全体の問題なのです。

先日、大阪府は学校での事故に備えて、弁護士を顧問として対処すると発表したようです。その記事は、教員の対応の悪さがさらに事態を不利にする可能性があるので、法律の専門家を前面に出すことで、事が有利に運ぶようにする、という趣旨でした。

これからの日本が、アメリカのような訴訟社会になっていくだろうことは、予測がつきます。教育の現場で何か事件・事故が起きるたびに、訴訟騒ぎになっていることも事実です。けれども、教育は単純に「勝った」「負けた」で判断できるものではありません。訴訟を起こして勝った側も、負けた側も大きな傷を負います。

行政も単純に自分たちの責任を少しでも回避しようとするのではなく、その原因がどこにあって、どうすれば本当の問題の解決ができるのかということを考えてほしいものです。

おそらく、子どもたちが引き起こす事件を想定しているのではなく、学校で起こる事故を中心に考えてのこととは思いますが、この記事を見て寂しい気がしたのは私だけでしょうか…

**2月18日(火)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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