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2019年2月 9日 (土)

第54回 「親の役割、教師の役割」

年度替わりで、幼稚園や学校ではいろいろなことがあったんじゃないかなあ???卒園式、卒業式はもちろん、担任の先生やクラスのお別れ会とか、転校する子のお別れ会とか…。

学校全体でやってる学校行事は「学校」がやっているので、内容に不満はあるにしてもそれほど大きな問題はないと思うんですが、「クラス」っていうのはけっこう問題があるんですよね。先生と子どもたちだけでやってる場合はいいんですけど、小学校(特に低学年)はそこにPTAの役員が絡む場合がけっこうあるでしょ?

ある学校で、担任の持ち上がり(最近は1年で替わることがほとんどだけどね)がないことがわかっている学年で、クラスでお別れ会をやったんですって。そこの学校はかなりPTAのお母さんたちが熱心(?)で、各クラスの企画をほとんどお母さんたちがやっちゃうらしいんですよね。特にそこのクラスの役員さんは大いにリーダーシップを発揮する人で、お別れ会の企画から進行まですべてやってたらしい。もともとの発想は「クラスのお別れ会」だったはずなのに、親が企画するんだから当然といえば当然、担任の先生の謝恩会さながらで、感謝の言葉あり、先生に対する別れの歌有り、花束贈呈有り…。

ところがこの先生、親からの評判は最悪だから、もうやらせもいいところ。もちろん、子どもたちにはそんな悪い先生なんていう気持ちはないわけで、「お涙頂戴」の演出で女の子の中には泣き出しちゃう子までいて…。

「ハーイ、みんな立って! 先生にお別れの歌を歌いましょう!」
「××ちゃん、そこじゃあ顔が隠れて映らないから、もっと左によって…」
「一人ずつ順番にお花を渡しましょう!」

ここまでやっちゃうと、もう完全にやり過ぎ。
まあ私立の幼稚園の役員さんには、幼稚園からある程度の委任があると思うんですけど、公立の小学校PTAとなるとちょっと役割が違うんじゃないかな?ここぞとばかり、「お母さんの自己表現の場」になってる。私はいつも「PTAは直接子どもと接しないこと」って言ってきたんですよね。それはなぜかというと、学校や先生に対してはそれぞれ意見が言えるけれど、PTAの役員に対しては言えないでしょ? もし、自分の子どもが誰かのお母さんに、かなり強い口調で怒られたり、指示されたりしたら気分が悪い。教育観が近くてかなり信頼関係のできている親同士ならともかく、「子どもをどう育てるか」という教育観がまったく逆だったりすると、かなりムッとくる。特に文化系的な子育てをしている場合、体育会系ののりで指導されたりすると、子どもも親も拒絶反応を起こす場合がありますよね。

学校の先生だったら、どの子にも同じように接する義務があるし、また実際そうしてる(たまには「えこひいき」っていうのもあるけれど、それはちょっと違う次元の問題だから)と思うのですが、PTAのお母さんたちでそこにいる一人一人の子どもたちの性格や家庭の子育てのありようまで考えて接してる人なんていないんじゃないかな?

どこかの公園で会ったとか、道ばたで会ったとかいうような個人的レベルなら、もちろんかまわないんですよ。学校という組織の中で集団教育というもののやり方のわからない親が、個人的価値観で子どもと接するということは、半ば強制され、欠席することも難しい、文句を言うことも難しいという状況の中では、行事そのものがない方がいい。いつもそう感じます。

翔(かける)の学年は、小学校の時全員でたった43名の学年でしたが、小学校の6年間に一人のお母さんと二人のお父さんが亡くなりました。両親ともいなくて、おばあちゃんが育てていたお子さんもいます。どこのPTAでも、子どものためとか、参加者を増やすためとかいう名目で、親子を対象にした行事をやっていると思いますが、親が参加できない家の子どもたちがどんなに負担を強いられているかなんて、普通に参加できるお母さんたちにはちゃんと理解ができないんじゃないかな?

学校行事はしかたないとしても、会費を払っているのに子どもの心に負担をかけてしまうようなPTA行事なんて本当に必要?自己表現ができるからって、PTA行事をあんまりパフォーマンスの場にしないで、親の役割・教師の役割をふまえて行動した方がいいんじゃないのかな…。

**3月31日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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