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2019年2月16日 (土)

第84回「迷子」

「れーんっ! れーんっ! どこ行っちゃったんだろう???」
娘の麻耶(まや)は、蓮(れん)と沙羅(さら)の二人を連れて、近くのショッピングモールへ出かけました。蓮は2歳3ヶ月、最もチョロチョロする時期で、抽象的なことを除けばほぼ言葉は理解するものの、こちらの話している意図まではわからない年齢。沙羅は生後8ヶ月。かなり自分の意志もはっきりしてきて、ほしいものがあればあっという間に這って行く、とにかく手にしたものは、何でも口の中へという月齢。ちょっと麻耶が沙羅に気を取られているうちに、蓮の姿が見えなくなりました。

遊具がたくさんあり、行き慣れたところなので、麻耶もちょっと気を抜いていたようです。どこかの遊具で遊んでいるのだろうという思い込みが、目を離させたのです。蓮がいなくなったことに気づき、慌てて遊具の周りを探しますがどこにも見あたりません。よく行く別のプレイスペースに行った可能性もあるので、そちらの方も見て回りましたがやはり見つかりませんでした。

どうしようかと困っているところに、
「迷子のお尋ねを申し上げます。ブルーの機関車トーマスの靴を履き、黒の半ズボン、グレーのTシャツを着た3歳くらいのお子さんが迷子になり保護しております。お心当たりの方は…」
「ああっ! 蓮だあーっ!」
麻耶は沙羅を抱いて、急いで引き取りに行きました。ちょっと年輩の女性にだっこされた蓮は、麻耶に気づくと、
「ママーっ!」と声を上げ、手に持ったお菓子を差し出して、
「これ、もらった!」

どうやら最初にいなくなった場所を動かなければよかったようで、麻耶が別な場所に探しに行ってしまったあとに、どこからか戻ってきたらしく、いなくなった場所でべそをかいているところを保護されたようでした。

そういえば最近、めっきり「迷子の放送」が減りました。私が子どものころなんてデパートのようなちょっと大きな施設では、しょっちゅう館内放送が流れていて、「迷子の放送」のない日なんてまずなかったけれど、最近は逆にほとんど「迷子の放送」を聞くことがありません。最近は昔と違ってみんなベビーカーを使っているし、おんぶやだっこをするにもいろいろいいものがあって、親が子どもを身体につけているので、ウロウロ、チョロチョロしてる子がめっきり減ったような気がします。

「今くらい親と子どもの物理的距離が近ければ、迷子なんてないよなあ」と一人で納得して…。
「でもそれってホントにいいのかなあ? 子どもの好奇心や冒険心はいつ養われるんだろう? 親は楽になったけど子どもは縛り付けられてるだけじゃん」と思いつつ、

「そうだ! この前新聞に“学校の帰りに声をかけられたり、車に乗せられそうになったりする事件がさいたま市と川口市であった”って載ってたっけ」と思い出して、ずいぶん子育ては楽になったように見えるけど、実は逆に子育てが難しくなってる時代なんだなあとつくづく感じて、「大人の責任で解決しなくッちゃ」と益々重圧を感じるこのごろでした。マル

**2003年10月27日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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