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2019年2月21日 (木)

第87回 「知らないおじさんに近づいちゃいけないんだもん」

私が1歩前へ出る。
少女は後ろへ1歩さがる。
私がさらに1歩前へ出る。
少女は後ろへさらに1歩さがる。
「だめだよ、そばに来ようと思っても。知らないおじさんに近づいちゃいけないんだもん」
「???」
「ねえみんな、逃げよっ!」
少女は、周りにいた4、5人の女の子たちと一緒に私の前から逃げていってしまいました。
「ダメだねえ、チラシ配りは。なんか宣伝の方法、考えなきゃ」
「とにかく別な学校へ行って見ようよ」
4年ほど前、毎年、カルチャーセンターでやっている夏休みの親子講座(親子でオカリナづくり)が好評なので、カルチャーセンターばかりでなく私の教室でも「オカリナづくり」を企画しました。夏休み初日の海の日に20~30名くらいを目安に募集をして、オカリナを作ってもらう計画でした。
チラシも作り、いざ宣伝に出かけてみると肩すかし。なんといっても小学生中心の親子講座ですから、小学生の下校途中を捕まえてチラシを渡すのが一番です。ところが、チラシを手渡しする距離まで近づけないのです。
「別な学校に行ってみようよ」
「そうだね」
気を取り直して、別な学校に行ってみましたが、結果は同じ。どんなに近づいても5mくらいまでがやっとです。小学校のPTA会長をやっている時でしたから、もちろんウチの子どもが通う小学校の子どもたちに手渡すことは簡単です。とはいえモラルの問題からいって自分がPTA会長をやっている小学校の子どもたちに露骨に宣伝するわけにもいかず、近所の小学校へチラシを配りに行ったのでした。
ちょうどこのころ、近隣で子どもに声をかける不審者が頻出し、PTA連合会でも「どうやって子どもを守るか」が問題になっているところでした。自分もかかわって立てた対策が、まさか自分に跳ね返ってくるとはね。「おーい、別に怪しいものじゃないよー!」と叫びたい気分でしたが、そんなこと言ったってどうにかなるわけじゃない。結局、男じゃ配れないので、妻や子どもにチラシを配ってもらって、なんとか海の日のオカリナづくりは成功しました。
最近わが家の近くで、小学生を連れ去ろうとする事件が何件か起きました。その数日後には、私の実家の近くでも同様の事件があったと新聞報道されました。川口市は携帯型防犯ブザーを児童に貸与したそうです。
私が子どものころは「鍵っ子」という言葉があったように、自宅の鍵すら子どもには持たせなくてすむ子育て環境だったわけですが、とうとう防犯ブザーまで持たせなくてはいけない時代になってしまったのかと思うととても寂しいですね。真(まこと)が高校生だった時、学校の中で頻繁に盗難が起こりました。学校からの指導は「大金は持つな、鍵を締めろ、しっかり自衛しろ」ということでした。確かにその通りなのですが「他人のものを盗まない」という最も大切な部分が抜け落ちていました。「どうやって守るか」だけでなく、「どうやって事件のない社会を作るか」の議論がなされないと、おそらく今よりももっとエスカレートした事件が起きるのではないかととても心配です。
子どもたちには、安心して遊べる環境を保証してあげたいですね。

**2003年11月17日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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