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2019年2月 7日 (木)

第45回 「救急車」

先週の月曜日のこと。
「蓮(れん)の様子がおかしいんだよ。昼間からちょっと下痢はしていたらしいんだけど、熱はないのに、いま唇の色が急に紫色になって、すごい勢いで吐いた。顔も真っ白だよ。」
「熱がないなら変だよ。とにかく急いで小児科に電話したら…」
妻からの電話でした。

今までの子育ての経験から熱がないのに、顔色が急に悪くなって、チアノーゼを起こしているようなときは、まず何かを飲み込んだのではないかと疑います。例えば、タバコ、コイン、蚊取りマット、洗剤…。そうだとすると、緊急を要する可能性があるので、できる限り速い判断が必要なのはいうまでもありません。

妻と娘(蓮の母親)は急いでかかりつけの小児科に電話をしましたが、夜の8時。もちろん電話は留守電になっています。小児科の当番医を確認しながら、その間にも近くの小児科に電話です。やはり、電話には誰も出ません。小児科の当番医はわかりましたが、わが家からは少し距離があるところで、細かい場所まではわかりません。そこでやむを得ず救急車を呼ぶことに。
「今、救急車呼んだから」
救急車を呼んだ報告を受けて、私は急いで家に戻りました。マンションの入り口には救急車が止まっています。救急車の窓から中を覗くと、妻に抱かれた蓮が私を見つけて、私の方に手を伸ばします。私は妻に替わって娘の麻耶(まや)と蓮と一緒に救急車で病院へ行くことになりました。

救急車はしばらく動きません。受け入れてくれる病院を探しているのです。私が救急車に乗ってから10分くらいが経ったでしょうか。ようやく病院が決まると救急車は病院に向かって走り出しました。病院に着いたとき、蓮の熱が上がっているように感じました。看護士さんが持ってきた体温計で測ってみると、37.9℃の熱がありました。熱があって安心というのも変ですが、こういうときばかりは熱があった方が安心です。
「なあんだ。ただの風邪じゃないの?」
診察したお医者さんは、
「今は吐いたり、下痢をしたりする風邪もはやってますから…。薬を出しておきます」
蓮は無事(?)に、ただの風邪でした。

これまでにも何度か子どものことで救急車を呼んだことがありました。麻耶がひきつけを起こしたとき、翔(かける)が寒冷蕁麻疹のため呼吸が困難になったとき…。そんな時にいつも感じるのは、
「なぜ受け入れ先の病院がなかなか決まらないんだろう?」
ということです。救急車がくるまでにはそんなに長い時間はかからないのですが、救急車に子どもを乗せた後、その場で待機する時間は10分~20分くらいは優にあります。麻耶のひきつけの時などは、相当長い待機時間があった上、さいたま市辻にある浦和南高校から北浦和の中央病院まで運ばれ、さらに20分ほど救急車の中で待たされたあげく「小児科医が食事に出てしまったから」と受け入れを拒否されて、浦和駅近くの開業医まで戻されてしまいました。いったい北戸田の近くから北浦和まで行ったのは何だったのか…。救急車を呼んでから診察を受けるまでには、1時間半以上の時間がかかりました。

もう20年以上も前のことなので、状況が変わっているといいのですが、翔の場合や蓮の場合も待機の時間が長いことはあまり変わっていません。小児科医の絶対数が少ないために夜間や休日の診療のできない地域があることが問題になっていますが、私の住んでいる地域は恵まれているとはいえ、やはり緊急の時には助からないのではないか…。どこの地域でも安心して子育てができるような、医療体制が整うといいですね。

病院で蓮を抱いていた私は、まずシャツとズボンの左側、続いてシャツとズボンの右側に救急車に乗る前に飲んだリンゴジュースをしっかりと吐かれて下着までがびっしょり。家に戻って、シャツとズボンのポケットのものを全部出して洗濯機に入れたはずだったのに、ズボンのポケットに入っていた携帯電話も、とってもきれいに洗われてしまいました。

**2003年1月28日(火)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もぅ読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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