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2019年2月 9日 (土)

第59回「おやじ子育て大学 その1」

「おやじ子育て大学」なんていうのが埼玉県のHPにあるなんて、ぜ~んぜん知らなかった~!
先日、朝日新聞に紹介されていたので、早速のぞいてみました。(埼玉県の公式HPから簡単にアクセスできるので、皆さんも覗いてみては?)

う~ん、なるほど…
県のHPを開くとすぐに目に付く割には、内容が貧弱? かな???
子育ての中の父親像をどう描くかというのは、とても難しいことです。以前、英語の教科書の挿絵で、「いつも家事をしているのが女性」ということが、問題になったことがありました。男女共同参画の考え方からすると、単に現実を映したような挿絵は好ましくないということだと思います。何気なく触れる教科書の挿絵のようなものが人の潜在意識に大きく影響するのは当然のことなので、子どもの目に触れるものはとても慎重に作られるべきだと思います。
県も男女共同参画社会づくりに、とても積極的に取り組んでいるように見えます。けれども、先日の県立高校の男女別学維持の決定(これにはいろいろ議論のあるところだと思いますが、ここで扱うととんでもないことになるので、別のところでということで。ただし、私は当然のことながら共学支持です)などの例を見れば、それが充分でないことも明らかです。この「おやじ子育て大学」を男女共同参画という観点から見ると、やはり英語の教科書的な部分が見え隠れするというのが、私の印象です。それは、「父親」「母親」の役割を規定してしまっているからです。

数年前に「父性の復権」(林道義著 中央公論新社)という本が話題になったことがありました。これを読んでどこか引っかかるところがあったのですが、検証しないまま読み流しました。もう一度読んでみないとよく整理はできませんが、確か「父性」というものの規定にとても強く抵抗を感じたのを記憶しています。(HP上できっちり反論してくださっている方もいらっしゃいますので、興味がある方は「父性の復権」でネット上を検索してみてください)

「おやじ子育て大学」もややこの嫌いがある。例えば、最初の『おやじ子育て大学とは』の中の「子どもとどうつきあっていいかわからない、あるいは、子どもが何を考えているのかわからないなど、お父さんを中心にとらえたページです」という部分。
「子どもとどうつきあっていいかわからない」「子どもが何を考えているのかわからない」というのは、「父親だから」という悩みではないはず。私が今まで子育てをしてきた経験から言うと、こういった悩みを持っているのは父親ではなく、むしろ母親です。もし、父親がこういった悩みを持っているとしたら、おそらくそのお父さんは、「おやじ子育て大学」を訪れなくてもいい人だと思います。

また、そのすぐあとの「家庭での父親の存在感が薄くなり、社会の善悪のしつけがおろそかになってきたといわれています」のくだり。これは漠然とした社会認識から生まれる考え方で、根底に女性に比べて男性の方が理知的で道徳観に優れているとの暗黙の了解がある。
男性が社会の善悪のしつけをするというのは事実ですか? これを真っ直ぐに受け取れば「男性中心の封建的な古き良き時代」というふうに聞こえますよね。まずこのメッセージを書いている人の意識の中にはっきりと男女の棲み分けが存在してしまっている。
昔、本当に父親がしつけをしていたのでしょうか?私はあまりそう思わないのですが…。昔の父親は、妻に対しても子どもに対しても、ただ自分勝手に振る舞っていただけだったのではないでしょうか?「そのツケが、今来ている」、そう捉えることだってできませんか?
そういう子育てをされてきた世代が父親になっているわけだから…。

このジャンルは私が最も得意(?)なところなので、どうしても長くなっちゃいます。2回で終わるかなあ? 3回くらいになっちゃうかなあ???

とりあえず、次回につづきます。

**2003年5月26日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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