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2019年2月 9日 (土)

第53回 「教師の話 その3 -優遇される教師-」

午後7時半。
「直隆さん帰ってる?」
「まだだよ。もうちょっと遅くなると思うけど…。食事しちゃってればいいよ」
食事が終わって、午後8時半。
「まだ帰ってこないのかなあ?」
「もうそろそろ帰ってくるんじゃないかなあ。今日はちょっと早く帰ってくるって言ってたから」
「いつもこんなに遅いの?」
「だいたい毎日10時過ぎだよ。9時まで教室やってるでしょ。すぐに生徒さん帰るわけじゃないし、そのあと、片付けして帰ってくればだいたい10時半かな」
「毎日そんなに遅いんだぁ?」
「そうだよ。それから食事だからね」
私に用があった妻の妹は、私の帰りが遅いことにちょっとびっくりした様子。
午後9時。
「ただいま」
普段より1時間以上早く帰ってきた私は、それから義妹と話をしながら食事をしました。話がいろいろな方向へいって、長女(弘子)の結婚のことに。
「弘子が、マンション借りるのにチャコちゃん(義妹)に保証人頼んだんだって?」
「『いいよ』って言ったけど」
「二人立ててくれって不動産屋に言われて、向こうはお父さんがなるって言ってるらしいのに、こっちは叔母でいいのかって言ったんだけど、向こうのお母さんがまだあんまり賛成じゃないらしくて、こっちは親じゃない方がいいとか言ってるから、ちょっと迷惑かけるけどよろしくね」
「不動産屋に教員だったら、全然問題ないって言われたらしいし、私はかまわないから」
そんなわけで、義妹が長女のマンションの賃貸契約の保証人になることになりました。

今回のことはちょっと事情が違うんだけれど、わが家では私が専業主夫をしていたこともあって、不動産関係の保証人になるのはほとんど妻。もちろん今は私にも収入がないわけじゃないから、私が保証人になってもかまわないんだけど、「教員」っていう方が通りがいいんですよね。公務員だから大きく給料が下がるなんていうことは考えにくいし、だいたい教員はかなり高給。妻の退職前の年収は1,100万円くらいだったし、退職金は3,000万円を超えてる。義妹(48歳)も年収800万円を超えてるらしい。弘子も今年の1月で退職するまで公立の養護学校で常勤講師をしていたんですけれど、常勤講師に採用されて2年目なのに600万円もらってて、弘子自身も「こんなにもらっちゃっていいのかなあ?」と言ってました。

賃金が高いか安いかなんていうのは、もちろん金額だけでは決められないけど、いつも「教員は忙しい」って言っていた義妹が実際に私の帰りが午後10時過ぎなのを目の当たりにして、今まで忙しいって言ってたのが嘘のように「忙しい」って言わなくなっちゃたんですよね。私の周りには教員が多いので、小・中・高の教員の勤務実態をかなり知ってるけれど、今の給料で、忙しいって言うのはやめた方がいいんじゃないのかな?

保護者会に行くとよく先生方は言うんですけどね。パートで働いているPTAのお母さんたちと比べれば、フルタイムなんだからそりゃあ確かに忙しいけれど、1,000万円近く取ってるっていうことになればちょっと話は違ってくるんじゃない。妻は市立高校だったこともあって、若干給料は高めだったみたいだけど、そんなに違ってるわけないんだから。その上、長期休業もいっぱいあるしね。本当は「勤務を要する日」なのに誰かに管理されてるわけじゃないから、休み中に行く行かないはほとんど自分の裁量だし…。東京都は夏休みも勤務をさせるっていうことになったらしいけど、まあ当たり前。それにしたって生徒はいないわけだしね。

妻が勤務していた高校では1年生を全員スキーに連れて行っていたんだけど、学年の先生10数人のほとんどがスキーが達者なんですよね。妻も1級で、妻を先頭に先生方でたいまつを持ってV字滑降してきたっていうからすごい! 生徒も感動したらしいからとってもよかったと思うんだけど、教員てそれくらいみんながスキーが滑れるようになる環境で勤務してるんだっていうことを忘れないでほしい! もちろんウチの子どもたちも埼玉に住んでるにしてはスキーは達者な方なんじゃないのかな? 私が一番下手。

つい先日、女性の指導主事の方と話をしていて、妻が教員で私が専業主夫をしていたっていう話をしたら、私が男なのに家事を受け持たなければならないほど「先生って忙しいから大変ですよね」って言われちゃったんですけど、私は「妻を他のお母さんと比較したらフルタイムなので忙しいかもしれないけれど、普通のお父さんと比較したらかなり楽ですから」って言ったら黙っちゃいました。

教員は教員の世界だけを見るんじゃなくて、もう少し社会全体を眺めて自分たちの置かれている立場を考えた方がいいんじゃないのかな?実態を知ってる者からしたら、誰がなんと言っても教員は勤務が楽なのに給料がよすぎる! もう少し勤務実態とか労働条件とかを公にして、その上で社会的論議をしたら学校もよくなるんじゃないかと思います。自分たちの権益だけを守ることに終始して、その負担を子どもたちに押しつけているとすれば、子どもたちが荒れるのは当たり前ですよね。

勤務が楽で給料がいいからって教員になる人を採用するんじゃなくて、本当に子どものために働いてくれる人を採用するような体制に改めないと、ろくな学校はできないよね。

**3月24日(月)掲載**

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