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2019年2月 7日 (木)

第50回 「小澤征爾っていい音?」

妻は音楽、長女は油絵、長男はバレエ(モダンダンス)、次男は演劇、私は陶芸。よく「芸術一家ですねえ」なんていう言われ方をするけれど、そりゃあまったく実態を映していない!要するに、私が勉強嫌いな上に、サラリーマン生活に耐えられないと思ったからこんな生活をしているわけで、それを見て育った子どもたちも、勉強嫌いで、サラリーマンやOL生活に耐えられないと思っている、というのが実のところじゃないのかな???

妻は、音楽といっても38年間教員生活を続けてきたわけだから、かなり健全だけどね。「芸術」(なーんてそんな大げさなことを言いたいわけじゃないけど)ってなかなか難しくて、ホントは何が芸術なんだか全然わかんない。確かにいい絵を見たり、いい陶器を見たりすると、「なーるほど!」なんて思うこともあるけど、「なーにこれ?」なーんて思うこともある。例のゴッホの絵じゃないけれど、その絵そのものがいいか悪いかじゃなくて、誰が書いたかが問題なんだよね。まあ、そこまでに至るには、それなりの評価があるわけだけれど…

もうずいぶん前(20年とかそれくらいかな?)になるけれど、上野の東京文化会館で、小澤征爾が振ったサンフランシスコ交響楽団を聞いたことがあるのね。これにはすごく感動した。なんかこう音がすごくクリアで、爽やかっていうか、すっきりするようなっていうか、そんなような記憶。何の曲だったかも覚えてないんだけどね。アンコールはヨハン・シュトラウスの「ピチカートポルカ」だったと思う。その後何年かして、今度は小澤征爾が埼玉会館で新日フィルを振ったことがあったのね。これには私はがっかりだった。なんか音が沈んでて、のびてこないわけ。「もうちょっと、もうちょっと! もうちょっと、ここまで来てよ!」っていう感じ。

「何、この違い!」と私はがっかりしてホールを出たんだけれど、ホールから出てきた人たちのほとんどが、すごく感動してて、
「やっぱり小澤ねえ!」「感動したわぁ!」
なーんてやってるわけ。
「おいおい、冗談じゃないよ。こんなののどこがいいんだよ! 小澤征爾なら何だっていいわけじゃない。いったいどういう耳してるんだ!」って言ったかどうかは覚えてないけど、私はそんなように感じたのを覚えてる。
でも、音楽の教員をやってた妻は、音がよかったんだか、悪かったんだか全然わからないらしくて、
「あっ、そうなの? 今日のはあんまりよくなかったんだ?」
だって。
困ったもんだよ…

なんていう番組だったかなあ?
値段のまったく違う楽器を弾いたり、ワインを飲んだりして、どっちが高級なものだか当てる番組をやってましたよねえ? けっこう当たらないのね。でも、そんな感じだよね。高いって言われれば、いい音だったり、美味しいような気がするし、安いって言われればいい音じゃなかったり、まずいような気がする。けっこうみんな、小澤征爾って言うだけで、絶対いい音だって思ってる。

少し前(これは何十年も前じゃないよ)に保育園で生演奏を聴かせて保育をしているっていうのをニュースで取り上げてました。泣いたり騒いだりしてる子も、生演奏が始まると落ち着いて静かにしてるんだって。確かにそういうこともあるかもしれないねえ。私も音楽好きだから、「子どもだって音楽聞いたら落ち着く」なんていう気もするけれど、でも、ホントかな?

まだしゃべれないような子にも音楽は通じるんだなんていうようなこと言ってたけど、何かちょっと疑問。演奏家の人たちが中心になってやってるみたいだったけど、演奏してる側の自己満足なんじゃないのかなあ???いい音楽を聴かせたら情操教育になるっていう発想なんだろうけど、音楽としてどうしようもない音楽だったらどうすんだろっ? いいか悪いかなんて、すごく難しいのに…

連れて行ってるお母さんが音楽好きなら、もちろんそれでいいんだけど、そういうふうに育てたら「いい子に育つ」と思ったら、間違いだよね。私も生活の中に音楽があることは賛成。でもそれはあくまで大人の側の自己満足に過ぎないんだと思うけどね。大きくなったら音楽のわかる人になるかもしれないけれど、音楽のわかる大人が「いい大人」っていうわけじゃないし…。音楽やってる人でも、やな奴いっぱいいるよ。ところで、埼玉会館の小澤征爾はみんなが感動してたように「いい音」だったのかなあ?私にはどうしようもなく聞こえたんだけどなあ…

**2003年3月5日(水)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

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