« 第50回 「小澤征爾っていい音?」 | トップページ | 第52回 「教師の話 その2 -教師の感覚-」 »

2019年2月 9日 (土)

第51回 「教師の話 その1 -教師が教師を評価する-」

ただただ批判をするのは、気持ちのいいものじゃないし、「人の悪口」って読者のみなさんも聞きづらいものだから、あんまり露骨な批判は避けてきたけれど、息子も中学を卒業することだし、ここのところ教育界の動きがけっこう急なので、この辺りでちょっと私の思っていることを言っておこうかなあ…。
というわけで、教師の話。

私はニフティを使っているんですけど、ニフティには「ニュース・クリップ」という機能があって、速報ニュースをあらかじめ自分で設定したキーワードが含まれている記事ごとにクリッピングできます。私は「教育」とか「医療」とか「家族」とか、いくつかのテーマを自分で設定したキーワードでクリッピングをしています。これがけっこう便利で、キーワードの設定を変えれば、かなり細かい記事の分類ができるので、無駄を省いて「必要な記事にだけ目を通す」ことができるし、見方を変えると「必要な記事を確実にピックアップ」してくれるとも言えます。

さて、少し前(2月25日)になりますが、毎日新聞の「教員の人事考課」の記事が「教育」のところにピックアップされました。この記事の内容は、「人事考課をする側の管理職は、なぜそのような評価になったのかの説明責任をきちんと果たせ」という内容の記事でした。最近、教員の不祥事や勤務態度不良の教員への風当たりが強くなり、人事考課を実施する自治体が増えてきているそうですが、果たしてどの程度意味があるのやら…。

おそらく、評価をされる教員の中では、評価をする管理職の能力を疑問視する声が多いのだろう(それはもちろんですが)けれど、私はそれよりも評価をする管理職も所詮教員であるということの方が問題だと思っています。教育界というのは非常に閉ざされた世界なので、教員以外の人が教員を評価するというのはとても難しいことではあるけれど、誰のための評価なのかということを考えると、教員同士では難しいのでは? 教師から見ていい教師というのは、多くの場合子どものことを考えているように見えても、教師の権益を守る教師でしかないことが多いと思うからです。

管理職対教諭という関係だけでなく、現場対行政という点でも問題があります。
例えば、学校でトラブルがあったときに、話を教育委員会に上げた(もちろんそんなことをせずに学校の中で解決できる方がいいに決まってはいますが)とします。親の方からすると学校よりも上の機関に上げたのだからなんとかなると思うかもしれませんが、これが難しい。管理職試験に受かって、教頭、校長になる前に教育委員会に勤務することが多いので、自分より先輩に当たる現場の校長を指導することはとても難しいのです。実際、私も教育委員会と話をして、「校長を指導するのは難しいんですよね」と具体的に言われたことがありました。そういった教育界の構成の問題を解決しないと、どんなに人事考課をしたとしても意味があるとは思えないのです。

例の池田小学校の事件が起こる前は「開かれた学校」なんていうことがよく話題になっていました。けれども、あの事件以来「開かれた」という言葉をあまり聞かなくなりました。あの事件の時に、ある学校の校長が「ウチの学校は、開かれた学校ということで塀を取り払ったのですが…」などという話をしていましたが、言葉遊びをしているのではないのだから、そんなくだらないことを言っていないで、本来の意味の「開かれた学校」を目指していかないと子どものための教育は死んでしまうのではないかととても心配です。

ちょうど、この原稿を打ち始めたときに、広島県尾道市で民間から登用の小学校長が学校の非常階段の手すりにロープをかけて首をつって自殺した、というニュースがクリッピングされました。毎日新聞によると「自分の教育理念通りの学校運営ができず、悩みを周囲に漏らしていた」とありましたが、これがきっかけになって「学校って、民間の人間には務まらないほど大変なところなんだ」なんて、ならないといいのですが…。
ずっと教員の夫をやってきた私としては、とてもそんな風には感じていないので。とてもお気の毒です。

次回「教師の話 その2 -教師の感覚-」につづく

**2003年3月10日(月)掲載**

※カテゴリー「子育てはお好き? ー専業主夫の子育て談義ー」は、2002年より2012年までの10年間、タウン情報サイト「マイタウンさいたま」(さいたま商工会議所運営)に掲載されたものですが、「もう読めないんですか?」という読者のご要望にお応えして、転載したものです。

|

« 第50回 「小澤征爾っていい音?」 | トップページ | 第52回 「教師の話 その2 -教師の感覚-」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第51回 「教師の話 その1 -教師が教師を評価する-」:

« 第50回 「小澤征爾っていい音?」 | トップページ | 第52回 「教師の話 その2 -教師の感覚-」 »