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2019年2月 6日 (水)

第33回 「ついていい嘘」

第33回 「ついていい嘘」 

 いやー、大したもんですねえ。20日のジェネジャン、前回言ったようにぜーんぜん対決になってなかったのを、あそこまで対決に見せるんだから…。でもやっぱり無理してるから、教師側が本当に言いたかったことが落っこっちゃってて、すべてを見たものからするとちょっと残念でした。(第31回・第32回参照)

 さて、ここのところメディアはノーベル賞と北朝鮮の拉致問題で占領されています。暗い話題ばかりが多かった最近にあって、ノーベル賞の話題は私たちに明るさを取り戻してくれました。拉致問題も大きな問題を残しつつも、帰国した5人の行動や表情などから、帰国前の重苦しい雰囲気からは考えられないほど明るい雰囲気になりつつあります。これこそ「北朝鮮の思う壺」(?)ととらえる人もいるのでしょうけれど、きちっと解決しなくてはいけない政治問題を残しているとはいえ、最初にメディアが報道していたのとは裏腹に明るい方向に向かっているのを見ていると、やはりほっとさせられます。

 小柴さんのノーベル賞は、昨年の野依さんのノーベル賞に続き「超エリートの受賞」といった感じで、私のような一介の主夫からするとはるか彼方の出来事でしたが、田中さんのノーベル賞はなんとなく庶民が受賞したようで、努力さえすれば誰にでもチャンスがあるといった感じを抱かせてくれました。(もちろん田中さんも超エリートなんですが、お人柄というんでしょうか、庶民の代表みたいな感じで…)

 ノーベル賞のような大きな賞を日本人が受賞すると、必ず英才教育がもてはやされます。英才教育が必ずしも悪いとは言いませんけれど、私は競争優先よりも共生優先の方が世の中が平和になると信じている者なので、野依さんや小柴さんの話ではなく、今回受賞した田中さんのインタビューを聞くたびに、どこか暖かい気持ちにさせられました。

 拉致問題は、次から次ぎへと予想に反する展開になって…。帰国前にメディアに登場したコメンテーターたちの発言はなんだったんだっていう感じですよね。ことごとく予想を覆されて、拉致された方々のお子さんを含めた家族の永住帰国さえ、ご本人たちの意志さえあればすんなりいきそうな気配です。もちろん、「これが『北』のやり方」っていう人もいると思いますが、私は真っ直ぐに受け止めたいですね。

 蓮池薫さんが、「子どもたちには旅行だと嘘を言って出てきました」とおっしゃっていました。子どもたちを「朝鮮人」として育ててきたとすれば、当然の配慮です。私のように複雑な家庭を持っていると、「子どもに嘘をついた方がいい」という場面が多々あります。けれどもそんな時、子どもたちには真実を語って乗り越えてきました。「真実を真正面から伝えれば必ず気持ちは通じる」、そう信じて生きてきました。妻が前夫と離婚し、私と暮らすことを告げに義父の元を訪ねたとき、義父がわざわざ墨をすって書いてくれた、「誠者天道也」(誠は天の道なり)の言葉を思い出しました。

 一刻も早く蓮池ご夫妻をはじめ拉致されたら方々が、嘘のない家庭生活を送れるような環境が整うといいですね。本来、子育ての中に「ついていい嘘」などというものがあるわけないのですから。

**10月22日(火)掲載**

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